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zoom RSS 『のぼうの城』と『水の城』という小説について

<<   作成日時 : 2012/11/06 06:12   >>

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『のぼうの城』とは言わずと知れた狂言師野村萬斎さん主演で20012年11月2日に公開された映画である。原作の『のぼうの城』は、和田竜さんが、2003年に城戸賞を受賞した自分の脚本『忍ぶの城』をもとにして書いた小説で、2008年コミック化されたあと、2009年本屋大賞で2位に輝いた。
そしてやっと映画化されたのである。
10年がかりである。

城戸賞は、映画化されることが募集条件の賞なのである。


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小説にせず、コミック化もされず、2位にもならなかったら、映画化なんて反古にされたかもね。

この世界というのはそういうものである。

いい加減なのである。

中には賞金さえもらえなかった人がいるからね。




で、『水の城』であるが・・・これも『のぼうの城』とおなじ武州ー現在の埼玉県行田市にあった成田氏の城、忍城(おしじょう)の物語なのである。
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作者は風野真知雄さん。

私見であるが、小説としては、こちらのほうが上であると思う。

描写、表現力においては、風野さんのほうが上だと思う。

しかし、タイトルのつけ方で負けたね。

『のぼう・・・』である。

なんだこれ?と興味をもたせるタイトルである。

ねこのひげも思わず買ってしまった。


本を開くと、”のぼう”とは”デクノボウ”の”のぼう”であることがわかる。

やられた〜!!である。

しかし、映画のポスターにでくのぼうと入れてはいかんよね〜。ネタバレじゃん!


風野さんの『水の城・・・・』は、美しいタイトルであるが、おとなしくインパクトがない。

『水の城』の後に、『いまだ落城ぜず』と副題がつくのも・・・・どうかと思う。たぶん、編集者がつけさせたんだろうけどね〜

蛇足だと思う。


『のぼう・・・・』は、小説としては、具体性がない。最近はやりのライトコミック的である。読みやすいと言えば読みやすいけどね。

だから、売れたか?


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と言っても・・・・

”わらっていいとも”で、野村萬斎さんが、女性100人に読んだことがある人?と聞いたら、5人であった・・・・・

もうすこし本を読もうよ〜(@_@;)・・・・・である。


脚本的で漫画化や映画化するには、こちらのほうが向いているだろう。


元が、映画化されるための脚本が元の小説であるから、当然か?


『のぼうの城』では、主人公の城代成田長親が、でくのぼうと領民からも侍たちからも呼ばれていると、書かれているが、どこがでくのぼうかという描写にかける。

『水の城・・・・・』では、昼行燈と呼ばれているが、なるほどこれなら昼行燈と呼ばれても仕方がないな、という描写がいくつもある。

ただ、昼行燈というと、忠臣蔵の大石内蔵助を思い出すので、ちょっとな〜?・・・・である。


成田長親は、でくのぼう・・・昼行燈・・・・・と呼ばれながらも、領民たちに嫌われていたのではなく、好かれていたのである。

それが、この城を最後まで持たせ、ついに落城させなかった力となったのである。

領民である農民までが一緒に戦ったのである。

たいていは、領民というのは我関せずで知らん顔している物なのである。

支配者が誰になろうと、年貢を取られることには変わりないからである。

石田三成の戦争の仕方がけっして下手だったわけでもない。石田三成は、忍城を攻める前には、館林城を、わずか3日で落としているのである。

しかも、関東一円、百はあった城が次々と秀吉軍により落とされて行き、ついに北条氏が籠る小田原城と、この忍城のみが残るのである。

さらには、4万人が籠っていた小田原城が陥落したあとも、忍城は落城せず、2万人の石田三成の軍隊以外にも、あの六文銭の真田軍までが援軍に来てもついに落ちなかったのである。

これは、周りの領民たちが忍城を守ろうとした力も作用したんだろうね〜
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専制君主や、政治家・・・・たいてい没落していくのは、領民や、庶民から遊離した感覚を持ち出したことが、原因だよね。

企業なんかもそう。

給料何千万円ももらい、高級腕時計をしているような連中に庶民が好むような自動車も、テレビの番組も作れるわけがない。

アメリカの企業がダメになっていたのもそうだし、日本の大企業が立ち直れないのも、そのためである。

社員と一緒に油まみれになって自動車を組み立てていた創業者の気概が消えているのである。



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甲斐姫の描写は、『水の城』のほうが激しくお転婆というか、男勝りなのがよくわかる。

まあ、戦国時代の女性は逞しく強いのである。

男と一緒に戦に参加した女性も大勢いるし、見目麗しい男とみれば、自分から襲いかかって食っちゃう女性もいた。

たとえば、北条政子などが典型である。押し掛けて源頼朝を亭主にした後、源氏を滅ぼし、鎌倉幕府まで乗っ取ってしまった。

日本女性が、女々しいというのは、後の作り手などが作り出した幻想である。

現在でも、尻に敷かれている男のなんと多いことか!

日本で女性の地位が低いなどというのも戯言である。

そう見せているだけである。


甲斐姫も、男を食っちゃうんだな。

貞操観念なんて、戦国時代にはなかったしね。


美人だったから、食って欲しい男はいっぱいいただろうしね(^^ゞ


甲斐姫は、こののちに助べえジジイ秀吉に目を付けられ側室となるが、秀吉の子、淀君の息子秀頼といい仲になり子供を身ごもる。

やる〜っ!!である。

おばさんが、若い男をたらししこんだのである。

忍城の仇を大阪城で討ったというところか。

その子供は娘であり、大阪城陥落の時は7歳であったが、徳川秀忠の娘千姫の口利きにより、母子とも、命を助けられ、鎌倉の東慶寺に預けられる。


のちに『縁切り寺』として知られるようになる東慶寺の中興の祖、天秀尼が、甲斐姫の娘である。


甲斐姫の娘であると同時に、豊臣秀頼の娘であり、秀吉の孫なんだけどね。

徳川家康もよく許したもんだ。

タヌキおやじも孫には弱かったか?




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この忍城を題材にした小説は、過去にもけっこうあり、山本周五郎の『笄堀』、山田風太郎の『風来忍法帳』、宮本昌孝の『紅蓮の狼』などなど・・・・・最近では近藤龍春の『忍城の姫武者』がある。

これほど小説に取り上げられた城もめずらしい。

しかも大阪や名古屋、江戸という中心的な場所ではなく、現在の埼玉県行田市という現在でも田舎と言っていい場所にあった小さな城である。

行田市は、東京に通うサラリーマンのベットタウンであり、環境はすこぶる良い。



ねこのひげも蓮の花を見に行ったことがある。

蓮の花が咲く池があるというので観に行ったのである。

古墳などもあり、自然豊かで良いところでありました。

現在、忍城は、天守閣付きで復元されているが、天守閣、これは嘘である。天守閣は織田信長の安土城ごろまでなかった。

安土城より、後の時代とはいえ、関東の田舎の小城に天守閣なんてあるわけない。

せいぜいが、屋敷である。高い所は、見張りをする櫓ぐらいである。

城=天守閣ということで、観光用に作ったんだろうけど・・・・・歴史的嘘は良くないと思うよ・・・・・・・・



忍城を取り囲む沼に、一面に蓮が植えてあり、花の開花時期になれば、花が咲き、城中に匂いがたちこめたそうである。

その姿が、あたかも沼に浮かんでいるように見えたので”浮城”とも呼ばれていたそうである。

映画でそういう描写もされているとよいね。

何人もの小説家に取り上げられたというのは、500人対2万人というところだろうね。日本人好みの判官びいきというのもあるが・・・・

勝てるわけがない戦力で、ついに、自らが開城するまで、落ちなかった城というのが、作家の創作意欲をくすぐったというのもあるだろう。

なぜ?落ちなかったのか?ちっぽけな田舎の城が・・・・・他の城は、みんな落城したのに・・・・・?

で、それぞれの作家が色々と物語を紡ぎだしたのである。

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それぞれに視点が違って書かれていて、おもしろいが・・・・・


しかし『のぼう・・・・』というタイトルで、忍城を、いちやく有名にした和田竜さんのひとり勝ちというところか?


山本周五郎や山田風太郎の小説に出てきても、記憶に残らなかったけど、忍城は、『のぼうの城』で記憶に残る城となったからね。


とりあえずは・・・・・・ネッ



                               



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コメント(18件)

内 容 ニックネーム/日時
のぼうの城、震災で公開が遅れたみたいですね。評判もいいみたいだし、観にいこうかな〜
かるち
2012/11/06 09:41
☆ かるちさんへ
『のぼうの城』は、野村萬斎さんが好きなんで、観に行こうかと思ってますが・・・・
城門を津波のよう波で崩すなんてありえないんだよな・・・・
忍城の周りは、沼地だし・・・埼玉県は平地だし・・・だからね〜(~_~;)
ねこのひげ
2012/11/06 18:33
のぼうの城 埼玉が舞台なんですね
行田は実家から遥か遠くなので・・・ あんまり身近じゃなく 知りませんでした
お城と言ったら 川越城の方が身近ですね(ここも そこそこ遠いけど・・・)
映画はなかなか面白そうですね
みるしっぽ
2012/11/06 21:37
野村萬斎さんテレビで宣伝してましたね。
「陰陽師」の再放送はまた観ました。
親友の源博雅もいい人なんですよね。
NHKで演じた杉本哲太さんが印象に残ってます。

行田市にはこんな歴史があったのですね。
風野さんは存じてましたが作品はまだ読んだ
ことがないのです。タイトルは大事ですね。

蓮も綺麗な色ですね〜

ひまわり
2012/11/06 23:10
へぇー、忍城とか甲斐姫って実在の話なのですか。面白いですね〜。
今でも、男性と女性の社会的関係って微妙ですね。一対一になると本当にどちらが強いのか様々です。ましてや戦国時代ともなると武術の要素も入ってきますから、強い女性は気力だけではなく体力も強かったんでしょうね。大昔の孔子が、女子三従の教えとか自分たち男性に都合の良いことを言いふらしたので、女性はどう振舞うべきかという基準や女性の地位が低いような制度を作ったのは事実です。でも、そんな型にとらわれない女性を見ると、かなりスッとしますね。(笑)
櫻弁当
2012/11/07 02:12
☆ みるしっぽさんへ
はい、埼玉県行田市にあったお城です。
ねこのひげも、ハスの花が咲いてきれいです。というニュースを見て行ったら、さきたま古墳群があり、忍城という城があったのを知りました。
川越も行きましたが、古い街並みが並んでていいところでありますね。
映画・・・評判はいいようです。
ねこのひげ
2012/11/07 04:39
☆ ひまわりさんへ
でまくってましたね。上池くんは、いささかお疲れのようでしたね。
『陰陽師』は、野村萬斎さんにピッタリの役でしたね。伝統芸能をやっているだけに、似合ってます。
杉本さんは、いかにも人がよさそうでいいですね。

歴史をひも解いてみると、色々おもしろいです。
千葉県というのも、千葉氏という武士の名前からきていて、こののぼうの城の戦の時に、豊臣秀吉に攻められて滅ぼされたのです。
関東一円の侍のほとんどは、この戦いの時に、北条氏に味方して滅ぼされてます。
うまく立ち回ったのが、8月に紹介した岩井三四二さんの『江戸に吹く風』に出て来た里見氏とこの成田氏ぐらいなんです。
ねこのひげ
2012/11/07 04:56
☆ 櫻弁当さんへ
どこまでが本当かはわかりませんけど・・・ほとんど実話だそうです。
石田三成が忍城を水攻めにした時に築いた堤も残っていますしね。

孔子の教えは、当時から評判が悪く、あちこちの王様に売り込んだようですが、奥方や大臣たちに嫌われて就職できなかったようです(笑)

戦国時代は、食うか食われるかでしたから、女性もおとなしくしてられないですよね。
奥方が先頭に立って戦をした例はいくつもあるようです。

甲斐姫のお母さんもおばあさんも、女武者として有名な女性だったそうで、甲斐姫も、後に裏切った家来を追いかけて行き、戦って首を切り落としたそうです。
それが、評判になり、豊臣秀吉が興味を持って、会ったら、美人だったので、側室に迎えたそうです。
なよなよしたのより、凛々しいほうがいいですね。
ねこのひげ
2012/11/07 05:13
映画の評判はすごく良いみたいですね。野村萬斎さんは伝統文化を担っているだけあってどんな演技も素晴らしくて好きです。

のぼうの城の「のぼう」の意味はなんだろうと思ったら木偶の坊ですか。騙された感じがします(笑)弱い物が強い物に負けないのはいつの時代でも面白い話ですね。
うずら
2012/11/07 16:08
☆ うずらさんへ
野村萬斎さんは、ふだんから、普通の俳優とは違う雰囲気ですからね。

のぼう・・・・・なんだろう?と思わせたのが、作者の和田竜さんのアイデア勝ちですね。
はい、弱い立場の人間が勝つというところがおもしろいんですね。
しかも、圧倒的多数ですからね〜
ねこのひげ
2012/11/07 18:48
野村萬斎さんの晴明、大好きです。こないだの『陰陽師』も録画してあります♪
『のぼうの城』は、晴明とは全然違った役柄で、なんだかイメージが崩れそうな気がして(笑)、観に行こうかどうしようか迷っているところです^^;
キーブー
2012/11/07 23:02
☆ キーブーさんへ
映画の中で、野村萬斎さんが、田楽を踊るシーンがあるそうで、それを見るだけでも、必見だそうでありますよ。

清明は、野村萬斎さんが一番似合ってましたね。本当に式神を使っていそうで・・・
ねこのひげ
2012/11/08 04:27
歴史 弱いです…(^_^メ)
でも、この映画は面白そうだなと思ってました
お城も沢山ありますが、いろいろ知ってから観るのと
何も知らないで見るのとは、やっぱり違いますよね
ちょっと勉強になりました♪
ハスの花はキレイですねヽ(^o^)丿
きよら
2012/11/09 11:18
☆ きよらさんへ
原作の小説『のぼうの城』でも、あまり歴史的背景はふれられてませんので、映画ものぼうである成田長親の人柄と甲斐姫たちの攻防が描かれているエンタテーメントな映画だと思います。
野村萬斎さんの田楽が見ものだそうでありますよ(*^。^*)〜♪

それに行田市はいいところでありますよ。
田園都市という雰囲気の街です。ハスの花が咲くころに行かれてみるとよいと思います。
ねこのひげ
2012/11/09 19:03
ふむふむ・・そんなに作家が題材にしたいほどの忍城って気になりますね。
萬斎さんの力の入れようからして気になります。

蓮の花、水のエネルギーを受けて生き生きしています
koko
2012/11/10 05:03
☆ kokoさんへ
2万人対500人で戦って、落城しなかったというところが、作家の創作意欲をそそらせたんでしょうね。
野村萬斎さんは、ふだんテレビに出演しているときでも、周りとは違って見えますからね。
伝統芸能の継受者の違いでしょうか?
ねこのひげ
2012/11/10 05:36
本は読んでないけど映画は観に行きたいと思ってます
「野村萬斎」が気になって、、、w
一度狂言を観て、そんなに近い席じゃなかったですが、オーラっていうか、気迫っていうか凄くって! のほほ〜んの太郎冠者なのに。鬼気迫る“のほほ〜〜ん”w
かっこいいんです
マーシャの乳母や
2012/11/11 23:38
☆ マーシャの乳母やさんへ
野村萬斎さんは、みなさん気になるようですね〜
どこか、ふつうの人ともふつうの芸能人ともちがう雰囲気を漂わせてますね。
ねこのひげ
2012/11/12 04:51

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