ポール・ニューマン逝く

画像

ポール・ニューマンが、2008年9月26日にコネチカット州のウェストポートの自宅で、ガンで亡くなった。83歳。
またまた一時代をなした名優が去りました。
ポール・ニューマンの代表作といえば、ロバート・レッドフォードと共演した西部劇『明日に向かって撃て』か『スティング』あたりでありますから、トップには、そのパンフレットのカバー画像を載せるべきでしょうが、チョットひねってみました。

                                 
これは、味の素のインスタントコーヒー『ブレンディ』のCMに出演した時のポール・ニューマンです。
(古いので、ちょっと汚れてます。すいませんです。)

もうひとつ。
こちらは、日産『スカイライン』のCMの時のポール・ニューマン。
                                

画像



いや~っ、男から見てもいい男。渋い二枚目です。若いときより中年になって、シワがよってきたりしたころからのほうがいいですね。ジョン・ウェインのような直情型で気のいいヤンキーというのではなく、ちょっとシニカルで知性的な男の代表のような男優でした。

女性はあまいマスクと憂いを含んだブルーアイズがたまらんかったようですが。

少年のような邪気にとんだ笑顔もかな。


画像   その時の、80年代のスカイライン。










  こちらがいまの最新のスカイラインクーペ。  画像









時代を感じます。


ポール・ニューマンは、ジェームス・ディーンやマーロン・ブランドなんかとアクターズスクールの同期だったのに、なかなか売れなくてパッとしませんでした。

しかし、舞台やテレビでがんばった後、ジェームス・ディーンが交通事故で亡くなった(きのう9月30日が命日)ために代役した『傷だらけの栄光』で高い評価を受け、『熱いトタン屋根の上の猫』でアカデミー賞にノミネートされました。

俳優としての地位を不動のものにした『明日に向かって撃て!』は、1969年のアメリカンニューシネマの傑作西部劇のひとつですが、ねこのひげは、見に行ったとき、かなり戸惑いました。

西部劇の中に、自動車は出てくるし、自転車は出てくるし。その自転車にプッチ・キャシディのポール・ニューマンが彼女の女教師エッタ・ブレースのキャサリン・ロスを乗せて楽しそうに走り回り、バックにバート・バカラックの『雨にぬれても』が流れるのですから。

西部劇なのに明るい曲を背景に、恋人同士が楽しそうに自転車で走り回っているのですから。

は~っ???でしたね。

ふつう、馬でしょ!?でしたね。


西部劇と言えば、ジョン・ウェインの『駅馬車』に代表されるように、乗り物と言えば馬車か馬だけで、機械的なものといえば、蒸気機関車ぐらいでしたから、最初、とまどいましたけど、考えてみれば、そりゃそうだ。と納得。

西部開拓時代の終りのころで、”近代化の波”が押し寄せてきていたということでしょう。

馬と拳銃の時代の終焉を告げていた時代なのです。

それに逆らうように生きていた男というか時代の波に乗り切れなかった男達の物語が『明日に向かって撃て!』です。

主人公の銀行強盗のブッチ・キャシディとサンダンス・キッドは、実在の人物で、列車強盗を繰り返したために、頭にきた鉄道会社がアメリカ中から集めた最強の追跡部隊に追い掛け回されたあげく、南米のボリビアまで逃げますが、そこでも強盗を働いて、ボリビアの軍隊に取り囲まれ殺されます。

1908年11月6日ですからちょうど百年前です。

映画のラストシーンでは、ストップモーションがかけられ、銃声と弾幕で終わります。

死んだかどうかがあやふやな描き方です。

これは、アメリカ国内で、ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの2人は、包囲網をかいくぐって逃げて、アメリカに帰ってきて、故郷であるユタ州でよき市民として静かに余生を暮らしたという伝説が長く言い伝えられているためです。

このころの列車強盗団とか銀行強盗などのアウトローというのは、英雄扱いされているケースが多いですね。

それだけアメリカの一般市民が権力者から抑圧され搾取されていたということでしょう。



ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドが生きていたという伝説は、アメリカでは根強く残っていたようで、トニー・ヒラーマンのミステリー小説『コヨーテは待つ』でも題材として使われてます。

(たぶん絶版してます。)

このなかでは、南米に逃げたのではなく、ナヴァホ保留地の岩山に隠れて暮らしていたという俗説が使われてます。
ブッチの隠していた金がらみと、2人が生きていてアメリカで暮らしていた”証拠”が発見されたことで、殺人事件が起きていたことがラストでわかります。

(スクープとしてマスコミに高く売れますからね。)

ネイティブアメリカンのナヴァホ族の警察官2人が主人公というユニークなミステリー小説です。




『明日に向かって撃て!』の前にこの二人が作っていた強盗団が『ワイルド・パンチ』です。

サム・ペキンパーの伝説のバイオレンス映画『ワイルドパンチ』のあの”ワイルドパンチ”です。

『ワイルドバンチ』も実在してたんですね。


ねこのひげは『暴力脱獄』(原題クール・ハンド・ルーク)なんかも好きでしたね。刑務所にはいてきたポール・ニューマンの”クール・ハンド・ルーク”が看守に半殺しにされ、最後にはついに殺される。

いつもニコニコしているのが、気に入らないという理由で暴力をふるわれるわけです。いまの社会の”イジメ”に通じるものがあります。
自分達の価値基準から少しでもはみ出している人間をたたき潰そうとするわけです。

『てめえ、罪人のくせに・・・刑務所にはいてきたのに・・・・なにを笑ってんだ!?反省してないんだろう!?』です。


クール・ハンド・ルークが他の囚人のように屈服しないので看守から暴力をふるわれ続け、ついに殺されてしまうのですが・・・・それでもルークは笑っていたのです。

邦題では『暴力脱獄』と暴力が強調されてますが、ルークのほうは暴力を使いません。ただし殴られても殴られても笑顔で立ち上がってくるのです。

ねこのひげは、これは一種の自殺だな?と感じました。人生に生きる意味を見いだせなくて絶望した男が自暴自棄でつまらない事件を起こして刑務所に入り、看守に逆らい続ける。暴力的手段ではなく。


でも、彼は殺されることによって、囚人達に希望を与えることになるのです。

殺されることによって彼の人生に意義が出てくるのが、悲しいですが。


ラストで他の囚人にジョージ・ケネディのドラグ・ラインが「あいつ、笑ってやがった。死んでも笑っていやがったぜ。」と語って聞かせます。死に顔が笑っていたわけです。それが他の囚人達に勇気と希望を与えるわけです。

囚人を通して権力に対する反抗を描いた映画で、ポール・ニューマンも「わたしは政治的にはレフティだ。」と公言してます。

ブッシュ大統領が富裕そうの税金を安くする政策をうち出したとき、「わたしのような大金持ちから税金を取らなくてどうするんだ?」と言った有名な演説があります。

起こした事業で稼いだ自分の収入のほとんどの2億2千万ドル(約200億円)を貧しい子供達のために寄付しています。(日本にこんな金持ちがいるかね?悔しかったら寄付してみなさい!)

ブッシュが行った政策のおかげで、いまの『世界同時株安』が起きているわけです。『世界恐慌』の入り口です。

ブッシュ大統領の名はこれで歴史に刻まれるでしょう。選んだアメリカ人もオロカですがね。


共演のジョージ・ケネディも好きな役者の1人です。泥臭い役や悪役をやらせれば天下一品です。

『明日に向かって撃て!』より、こちらのほうがお勧めかな?


ピクサー・アニメの『カーズ』の51年型ホーネットのドック・ハドソンの声を演じたのが、俳優としての最後の仕事というのが、車好きのポール・ニューマンらしいところです。



                                

                                


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

参考になるかと思って、『Amazon商品検索』を貼り付けてみました。読んでみたい方、観てみたい方、興味のある方は、どうぞ!



コヨーテは待つ (ミステリアス・プレス文庫)
ミステリアスプレス
トニイ ヒラーマン

ユーザレビュー:
They teach ...
"They teac ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ



カーズ
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
2006-11-08
ユーザレビュー:
人物像(車だけど)の ...
カラフルな乗り物達に ...
アメリカ版の『ALW ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ



明日に向って撃て! (特別編) (ベストヒット・セレクション)
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2007-10-24
ユーザレビュー:
名作ですもうお決まり ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ



暴力脱獄 特別版
ワーナー・ホーム・ビデオ
2008-10-08
ユーザレビュー:
苦しいことがあったら ...
哀悼、ポール・ニュー ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

月桂樹
2008年10月01日 11:53
ねこのひげさん、こんにちは♪
ポールニューマン、素敵な俳優でしたね。
日本のCMにも出ていたのを、思い出しました。
スカイラインのCMにも出ていたんですね~♪
「スティング」思い出します。
ねこのひげ
2008年10月01日 16:44
「スティング」といえば、スコット・ジョプリンの『エンタティナー』を思い出しますね。~♪
明るく軽やかでいい曲でしたね。
買い物ついでに、スーパーのとなりのTUTAYAを覗いてみましたが、ポール・ニューマンのDVDは全部、貸し出し中になってました。

この記事へのトラックバック