ねこのひげ

アクセスカウンタ

zoom RSS ジョージ・ペレケーノス著『夜は終わらない』

<<   作成日時 : 2013/01/28 06:15   >>

ナイス ブログ気持玉 35 / トラックバック 0 / コメント 17

『特捜部Q』というハヤカワポケットミステリーブックを紹介したので、おなじポケットミステリーブックから、ジョージ・ペレケーノスのミステリー小説『夜は終わらない』を紹介してみようと思う。
ジョージ・ペレケーノスは、アメリカミステリー小説の巨匠であるから、ご存知の方も多いと思うが、数々の賞を受賞していて、この小説もバリー賞を受賞している。
以前はジョージのあとに”P”がついていたが、この本からは消している。
なにか理由があるのか?理由は不明である。
単にPの前にPが来るのが煩わしくなっただけかな?
画像



原題は『The Night Gardeener』・・・日本語では『夜の造園家』という意味で、『夜は終わらない』の方が、抒情的で日本人向けということか?

『ナイトガーディナー』でも悪くはないがね。

1985年、ワシントンDCで、少女の連続殺人事件が起きる。

夜の間に殺されて地域農園に死体が放置され、朝、収穫に来た人が発見する。

『夜の造園家』のタイトルの所以である。


事件は、名前が、Otto、Ava、Eveと回文になっている少女ばかり3人が殺されたため、『回文殺人事件』と呼ばれたが、事件解決率90パーセントを誇るクック刑事も、ついに犯人を捕まえることが出来ず、とつぜん殺人が起きなくなり、事件は迷宮入りとなった。

画像


そして2005年・・・・・・・

ワシントンDCは、政治の中心都市にもかかわらず、犯罪多発都市としても知られ、人口の50%以上が黒人であり、ますます犯罪の巣窟となり、ありとあらゆる犯罪がひしめく都市となっていた。

2010年以降、現在でも、全米一治安が悪く、犯罪の多い都市として知られる。

画像


昼間の観光地としての顔と夜の顔とでは真反対である。


殺人事件など日常茶飯事である。



画像


1985年当時、新米警官で、現場の見張りをさせられていた二人の警官のうち、ガス・ラモーンは巡査部長となり、殺人課の刑事として活躍しており、結婚して2人の子持ちとなり、もう一人のダン・ホリデーは、警察を辞め、いまは、リムジンによる空港などへの送り迎えをする送迎会社の経営者となっている。

20年の間に別の道を歩むことになっている。

ダン・ホリデーは、白人ながら黒人街を担当して、黒人たちにも人気があり、子供たちにも好かれていたが、いまは酒を飲んでは行きづりの女と一夜を共にして、そのことを、バーで自慢するような男になっていた。


そういうときに、ふたたび子供の殺人事件が起きる。こんどは少年であり、ガス・ラモーンの息子ディエゴの友達だった。

地域農園の中で、頭を撃たれて殺されて見つかった。1985年の少女たちと同じように・・・・・


少年の殺人事件を追いながらも、ワシントンDCに暮らす人々の生活が描かれている。


貧困街に育ち、どうしようもない犯罪者になった粗野な男。

暴力でしか会話できない男。

その男たちの一人と関係を持ったばかりに、ごみ溜めのようなアパートの一室に暮し、ダンサーとは名ばかりの売春婦となった女。

麻薬と金の巻き起こす戦い。


中産階級の子供なのに、黒人というだけで差別される少年たち。

ガス・ラモーンの息子などがそうだ。刑事は公務員であるから、そこそこの暮らしは保障されている。その息子であるから、他の黒人の少年と比べれば、裕福な生活をしている。

その息子が以前いた学校では、ほとんどの子供が黒人であり、父親が刑務所にはいているような貧困家庭の子供である。

母親は働いていて、子供がなにをしているか知らない。知っていても興味がない。

ストリートギャングから、麻薬密売人となり、やがでmorgue(モルグー死体安置所)に運ばれていくことになる。

画像


これではと、息子の将来を心配したガス・ラモーン刑事と奥さんは、別の学校に転校させたが、その学校の生徒はほとんどが白人であった。

そのために、息子は教師からも、暗黙のうちに差別されている。

通りを走る車の後ろに貼られたスティッカーの”我々は肌の色で差別はしません”の文字がむなしい。


勉強に身が入らない息子。悩む父親ガス・ラモーン。

与えた本も机の上で埃を被っている。

息子と父親の葛藤。

それでもお互いが愛し合っている。

ガス・ラモーンは、家庭を大事にしている。他の警官のように離婚したり、自殺したりはしたくないのである。

ガス・ラモーンは、イタリア系の白人で奥さんは黒人であることがさらに問題を引き起こしている。


ガス・ラモーンの元同僚であるダン・ホリデーは、セックス中毒であり、そのせいで警察を辞めたのだが、それをガス・ラモーンのせいだと思いこみ、絶縁状態であったが、少年の殺人事件がもとで出会うことになる。

そして、1985年に敏腕刑事として知られ、いまは引退して年金暮らしをしているクック元刑事が出てくる。

彼には、1985年の連続殺人犯と目星を付けた人物がいた。

しかし・・・・・・・・・・


少年の殺人と、別の事件とが絡み合い、事件をより複雑にしていく。


1985年の連続殺人事件とのかかり合いは?

画像

ワシントンDCで、事件を追いかける刑事とその家庭のかかえる苦悩と愛。アメリカ社会の複雑さが描かれている逸品である。


作者ジョージ・ペレケーノスは、ワシントンDC生まれであるから、このような問題に少年のころから出会ってきたのかもしれない。

ジョージ・ベレケーノスは、名前からもわかるように、ギリシャ系アメリカ人である。

ギリシャ系も、また差別されている。



ガス・ラモーンの息子ディエゴの友達を殺したのは、1985年の連続殺人犯なのか?


それとも?


少年の殺人事件を追いながら、アメリカ社会の人種、貧困、家庭の問題が描かれている小説です。


ちょっと変わっていて面白いです。


刑事たちも、スーパーマンではなく普通の人々と同じ人間であることが描かれている。

画像




                                




ーーーーーーーーーーーーーーーー地震情報


2013年1月28日月曜日午前3時45分 茨城で震度5弱 マグニチュード4・9 震度70キロ

ねこのひげの自宅 震度3程度

被害なし 目が覚めた程度


午前5時50分 沖縄近海で震度4 マグニチュード4・9 震度50キロ

しかし、地震多いですな〜

お気を付けください。

雪は成田空港で降っているのに、自宅近辺では降ってません。

と思っていたら午前6時42分、サブが背中に雪粒をいくつかつけて鳴きながら帰ってきた。

降り出したようです。



                                    




テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 35
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた
面白い
ガッツ(がんばれ!)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(17件)

内 容 ニックネーム/日時
このような小説は、これがアメリカ社会の実の姿であると思われると、ちょっと誤解をまねくかもしれません。
アメリカの社会は本当に様々です。ずっと以前に20年くらい住んでいたセントルイスは、ガラの悪い町であるということで有名です。というのは、セントルイスの年間の殺人事件は150件くらいもあるからです。でもだからといって、セントルイスに住む人が皆、銃弾をかいくぐって生きているというわけではありません。そのようなのはセントルイスのある一部の地区だけで、その他の地区や郊外は安全で、普通の生活をおくっています。ワシントンDCも、危ないのはある一部だけです。
差別についても、黒人が大統領になっているような国です。ギリシャ系だけがことさら差別されるというのも本当ではありません。
いったいなにが書いてあるのだろうと、気になります。

地震またですか?気を付けてくださいね。
櫻弁当
2013/01/28 12:22
ワシントンD.C.がそんなことになってるんですか。
ニューヨークやシカゴの方が犯罪率が高いと思って
ました。銃や麻薬犯罪が跡を絶たないですよね。
そして根強い白人至上主義…
このミステリも映画を観るように入って来ますね。

ただいま「特捜部Q」読破中です。
いつも面白い本の紹介ありがとうございます。
大好きな「旅の仲間」も原作を読もうと新作版を
借りてきました。さぁ、読むぞ!

ちょくちょく地震があるのが気になりますね。
おまけに雪まで。。うっすら積もりました。
サブちゃんもビックリでしょうね。

ひまわり
2013/01/28 12:56
☆ 櫻弁当さんへ
もちろんですよ。アメリカのある一面ですよ。
全部ではありません。
ねこのひげの書き方が悪かったかもしれませんが・・・・
ミステリー小説ですから、健康的なアメリカを書いたのでは物語にはなりません。
ワシントンDCの犯罪が多い地区の話なのです。
作者は、ワシントンDCで生まれ育ってますから詳しいのでしょうしね。
ギリシャ人に差別があるのはNYだそうで、これは、昔からNYの魚市場で働いているのが主にギリシャ人だからだそうです。魚臭いとか言われるそうです。
ねこのひげが、ロスアンゼルスに行ったとき、下町で、完全に麻薬でおかしくなっている黒人にも出会いましたね。
アメリカにいる友人の子供の通っている小学校の同級生の親は、ほとんどがjailにはいているそうで、転校させようかと迷っているそうです。
この小説を読んだとき、その友人を思い出しましたよ。
でも、おばさんは、バークレーに住んで60年以上たちますが、犯罪に一度もあったことがないそうです。
場所によるということで・・・・

日本は、地震大国ですから、震度3程度では驚きませんが、3・11以来、大きくなるのでは?と一瞬緊張します。
ねこのひげ
2013/01/28 18:41
また 地震があったんですね
東日本大震災以降 地震 多くなりましたよね

成田 雪がたくさん降ったようですね
こちらは 薄ら積もる程度でしたよ
みるしっぽ
2013/01/28 18:47
☆ ひまわりさんへ
ワシントンDCは、政治の中心地ですから、全部の地域が犯罪だらけというわけではありませんがね。
観光名所もいっぱいありますからね。
統計的に見て、アメリカでも有数の犯罪都市には違いないですけどね。
ホワイトハウスがあるんですけどね。アメリカの警察も頭が痛いことでしょう。
映画のように・・・作者のベレケーノスは、テレビのプロデューサーもしていたことがあるそうで、そのあたりがうまいのでしょう。

『特捜部Q』を読まれてますか。ちょっと出だしは戸惑いますが面白いですよね。

地震が、また増えましたね。気持ち悪いです。
雪・・・・こちらは、ドカッと降りました。
狭い地域に集中して降ったそうです。
ねこのひげ
2013/01/28 18:57
☆ みるしっぽさんへ
はい、多くなりましたね。揺れるたびに大きくなるのでは?と緊張します。

こちらは短時間でドカッと積もりましたね。
でも、午後になると急激に溶けだしてほとんど残ってないですが、明日の朝、凍りつくそうで、スリップしないように気を付けないといけませんですよ。
ねこのひげ
2013/01/28 19:02
ねこのひげさんのレビューは、いつも読みたくなってしまいますね〜
早速図書館に予約を入れたいところですが、、、
乳母やは今、タイトルに惹かれて借りた本に悪戦苦闘中です(大汗
しかも2冊! 2週間で読めるか?!w
こちらは2cm程積もりましたが、あっという間に溶けました
ニュースで成田空港の映像を見てびっくり!でした
マーシャの乳母や
2013/01/28 22:26
ワシントンD.C.ってホワイトハウスのお膝元だし、ニューヨークなどに比べるとずっと治安がいいのかと思ってました。反対だったんですね^^;
それにしても、アメリカの人種問題は根が深いですね。
ギリシャ系も差別を受けている、のところで、87分署シリーズのキャレラ刑事をちょっと思い出しました
アメリカの警察ものって、どうしてこんなに面白いんでしょうね(^^♪

そんな規模の地震があったのを、ここに来て初めて知りました^^;
ニュースも見てるんだけどなあ・・・以前のように不安をあおるような報道もどうかとは思うけど、事実は事実としてちゃんと知らせてほしいもんです。
キーブー
2013/01/28 22:39
そうですよね。
外国人が、日本の殺人事件の小説を読んで、「へ〜、日本は治安が良いと思っていたのにこんなことになっていたんですか」などと言えば、解ってもらえるでしょうか。
こういう特殊な状況を扱う小説が、あたかもその国の実状であるという風に思い込むのは考え物ですね。007の映画をドキュメンタリーと思い込むのと同じです。(笑) 
櫻弁当
2013/01/29 00:30
アメリカと言うのは本当に不思議な国です。私が住んでいた街は裕福な白人がメインだったので学校は何度も賞をもらっているし夜中に女性が一人で歩けるほど治安の良い地域でした。その隣町はヒスパニック系と黒人が多く麻薬・妊娠・喧嘩等問題ばかりの学校で犯罪も多かったようです。街の境界線を越えると途端にゴミだらけになるし… 地域によって見事なほど色分けされているのがアメリカですね。マイノリティが差別されるのも覚悟していないとね。
このミステリー、面白そうですね。もう話の先も過去の事件とのつながりも気になって仕方ありません。 
うずら
2013/01/29 01:20
☆ マーシャの乳母やさんへ
ありがとうございます〜♪
大ベストセラーというわけではないので、すぐに借りられると思いますよ。

自宅は成田空港から15キロぐらいのところなんですが、成田空港にすごい雪が降っているのに、ここは降らないな〜と思っていたら、すごいことに・・・記事にしましたので、ご覧ください。
ねこのひげ
2013/01/29 06:02
☆ キーブーさんへ
現在は、反対ですね〜
リンカーンが奴隷を解放したのはわずか150年前ですからね。選挙権を与えたのは、60年前ですからね。
イタリア系やユダヤ系も差別されてるし、そこに中南米系も混じって大変なわけで・・・・
だから、アメリカの警察物がおもしろくなると言ってはわるいかな・・・?(^^ゞ
ねこのひげ
2013/01/29 06:08
☆ 櫻弁当さんへ
そう思う人は少ないでしょうが、そう思う人もいるでしょうね。
日本に、モルモン教の宣教師としてやってきて、テレビで活躍したケント・ギルバートさんは、日本に来るまで、日本人はちょんまげで刀を腰に差して着物姿であるいていると思っていたそうです。
日本に来てビックリしたそうです。
ユタ州の田舎生まれでNYにも行ったことがないそうで、それを話してはみんなに笑われてましたが、日本で活躍した後、いまは、ユタ州に帰って、何エーカーもの土地を手に入れ大豪邸に住んでいるそうです。
ねこのひげ
2013/01/29 06:19
☆ うずらさんへ
ねこのひげも、アメリカに行ったとき、家を買って住まないかと言われたところは、周りを塀に囲まれた城塞のような区画で、中に入るにはガードマンのチェックがいちいちあるところでした。
外は、子供のギャングが銃撃戦をしているような地区ですが、中は絶対安全だと言われましたけどね。
なんだかな〜でした。

読んでみてください。最後のオチには驚かされますよ。
ねこのひげ
2013/01/29 06:29
☆櫻弁当さんへ
ケント・ギルバートさんではなく、ケント・デリカットさんでした。
ケント・ギルバートさんは、弁護士さんでした。
同じ名前で、同じモルモン教の宣教師として来日したので間違えてしまいました。(^^ゞ
ねこのひげ
2013/01/29 07:45
千葉で大雪ってニュースで見たとき、ねこのひげさん地方は大丈夫かな?って思いましたよ。たいしたことなくてよかったです。
地震、この日にもあったんですよね。怖いですね。
震度5弱ってこの前初めて経験しました。もういいです…。
TAMO
2013/02/06 00:28
☆ TAMOさんへ
この記事にまでコメントもらっているのに気が付きませんでした。
失礼しました<(_ _)>
大雪といっても北海道に比べれば大したことないですが大騒ぎになりました。

3・11のとき、千葉は震度5強でしたから、そのあと地震が起きるたびに緊張します。
ねこのひげ
2013/02/07 18:55

コメントする help

ニックネーム
本 文
ジョージ・ペレケーノス著『夜は終わらない』 ねこのひげ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる