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zoom RSS 乾緑郎著『完全なる首長竜の日』

<<   作成日時 : 2012/10/04 04:28   >>

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タイトルに惹かれて読んだ。
『完全なる首長竜の日』。なかなかおもしろいタイトルである。
下の方に英語で書いてあるタイトル『A Perfect Day for Plesiosaur』というタイトルにも惹かれた。
なんか覚えがあるな〜と思ったら、サリンジャーの『A Perfect Dey for Bananafish』であった。
作品の中にも出て来る。

J・D・サリンジャーは、今でも若者に読まれ若者のバイブルのような小説『ライ麦畑で捕まえて』で知られる作家である。
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現在でも世界で年間30万部は売れているそうである。

サリンジャーは日本の禅宗の影響を強く受けたようで、自分とは何か?人間の存在意義とは?というような問いを投げかけた作品が多い。


『A Perfect Day for Bnanafish』も若者純粋さや思春期の危うさを描いた作品であると言える。

日本では『九つの物語』という短編集の中に『バナナフィッシュにうってつけの日』というタイトルではいている。
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自分が嘘で話した架空の魚Bnanafishという魚が存在したと女の子に言われて自殺する話である。

いま自分がいるところが現実の世界なのか夢の中の世界なのかを確かめるためにピストル自殺する話である。



漫画でもバナナフィシュという作品があるそうであるが、そちらは知らない。


サリンジャーの作品は、曖昧模糊としているため、個人により解釈が異なり、誤解されることが多く、若者の教祖のような扱いを受け、うんざりしたサリンジャーは孤独を好むようになり、晩年は世捨て人のような生活を送り、2010年1月27日、91歳で亡くなった。


若いときからの逸話を聞くと、かなりの変人でもあったようだ。



もうひとつの買って読んでみるか?というきっかけは、綾瀬はるかさん主演で映画化されるという俗っぽいことが理由である。
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以前紹介した『もののけ本所深川事件帖』オサキ江戸に行く』や海堂尊の『チーム・バチスタの栄光』と同じ『このミステリーがおもしろい!』大賞の第9回大賞受賞作品であり、ベストセラーになったそうである。



漫画家の女性が主人公で、弟が自殺を図り、未遂に終わったが、こん睡状態になり、そのこん睡状態の弟と意思の疎通が図れる装置が作られたので、それを使って、弟と意思の疎通を繰り返しているうちに、今、現在が、機械で眠っている状態の中の現象なのか、目が覚めているときに、起きている事なのかわからなくなるという話である。


映画では、弟が幼馴染の恋人に変えられて製作されるらしい。

小説の方は、40過ぎのおばさん漫画家だからね・・・・・そのまま映画化というわけにはいかないだろうね・・・・・


現実と思って読んでいると、機械で眠らされている間の夢の中の出来事であったというようなシーンがなんども出てくる。


夢から覚めたら、それもまた夢であり、その醒めた夢も、また夢であり・・・・というようなことを経験したことがあるけどね。

小悦でもそんなストーリーの小説を読んだことがあるな〜


夢の中の出来事という映画では渡辺謙さんの出演した『インセプション』もありましたね。

あのぐらいの映像が観られるとすごいけどね。


先日見た『トータルリコール』も機械で夢を見る話ですね。




この小説の中に出てくる『胡蝶の夢』という故事も夢の話で。

古代中国の思想家の荘子(荘周)という人物が夢の中で蝶になる夢を見るが、それは蝶が観ている荘子の夢なのかもしれないという話である。

夢が現実なのか現実が夢なのかわからないが、そんなことはささいなことで、そんなことにとらわれてはならないという思想である。


で、この『完全なる首長竜の日』は、いま起きていることが、主人公の夢の中の出来事なのか、起きているときに実際に現実に起きていることなのかわからない状態の話が続く・・・・・・・・・・


病院で、こん睡状態のはずの弟がとつぜん仕事場に現れたりする。


それは、眠っている状態で観ている夢だと思ったら、周りの人間から、「弟さん、回復したんだ」「よかったですね」と言われたりして、主人公は混乱をきたす。


さらに、フッと、窓の外を見たら、膿の中から首長竜の巨大なひれが見えたりする。
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ロマンチックSFというか・・・・虚無的幻想SFというか・・・・・


ある意味女性的であります。


だから、天然な綾瀬はるかさんを主役にしたのかな?


来年公開だそうであります。

ちょっと観てみたい気もする・・・・・・


なんせ、首長竜は好きなもので・・・・・
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CGでいいからリアルに海を泳ぐ首長竜を見てみたいな。


うまく作ってね、黒沢清監督!


観に行くからさ〜



最近の傾向として、女性が男性的な小説を書き、男性が女性的な小説を書くという傾向があるようでありますな〜

大学でも理科系に進む女子というのが増えたそうでありますしね。


林業に従事する女子も増えたそうである。


そうそう、首長竜ではもうひとつ、景山民夫さんの第99回直木賞受賞作の『遠い海から来たCOO』という小説があった。
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これは、首長竜(プレシオサウルス)と少年の冒険ファンタジー物語でありましたが・・・・・

この作品が直木賞を受賞した時、景山民夫さんが、直木賞の審査員の弱みを握っていて、脅かして受賞したというジョークとも本当の話ともわからない話が飛び交ったな。

景山さんの冒険小説をもっと読みたかったな〜


早世されたのが惜しまれます。






夢か現実かわからないというアイデアで描いた小説では、狩野あさみあざみさんの『亜州黄龍伝奇』シリーズというのがある。


かなり古いので絶版になっているようであるが。

全作持っていたはずなんだが、3・11で行方不明中・・・・・・


主人公は日本人の少年であるが、実は、中国の最高位の龍、龍の王である黄龍の仮の姿で、黄龍が眠っている間、夢の中で、日本人の少年の姿で現れる。

そしてこの世界、地球というか宇宙で起きているすべての現象は、黄龍がまどろんでいる間の、夢の中の出来事であるという設定なのである。


その黄龍の眠りを覚まさせると、この世界すべてが、夢幻と消えてしまうという事になるのである。

だから、黄龍の眠りを妨げさせないために、青竜、白虎、玄武、朱雀という風水にも出てくる四大聖獣が、人間の姿をして、少年を守っているのであるが・・・・・

トラブルが起きて、黄龍が目覚めそうになるのである。


中国の原子力発電所が爆発しそうになったりするのである。


香港マフイアや、中国の人民革命軍やアラブのテロリストが出てくる。冒険小説であり、エンタテインメント性抜群でおもしろかった。


途中で、こういう小説を書くのをやめて本格的な古代中国歴史小説を書き出したのが残念でならない。



筆力もあり、男性的文体で好きでありました。あのようなSF伝奇小説を、また書いてほしいものでありますな。


当時もかなり売れたのではないかと思う。

シリーズ化されて6作品と外電が1作品出たのであるから・・・・・

今だったら、ベストセラー間違いないし、アニメ化や映画化されてもおかしくない作品でありますよ。



人を楽しませるエンタテインメントな作品というのも大事だと思いますけどね。



狩野さん(^_-)-☆









                                 






狩野さんの名前と本の名前を間違えていたので修正しました。

名前は、あさみではなくあざみ・・・・・狩野あざみさんです。

本は、『亜州黄龍伝記』ではなく『亜州黄龍伝奇』でありました。

失礼しました<(_ _)>




                                    


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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
現実だと思っていたら頭の中の出来事で現実はもっと深刻、というのはキアヌー・リーブスのマトリックスでもありましたね。こういう設定は、いくらでも荒唐無稽に出来るので、作り方によってはとても面白いものが出来ると思います。
サリンジャーは読んだと思うけどあんまり覚えていません。なぜか庄司薫が思い浮かびます。九つの物語の一つの「The Laughing Man」は大学の英語のリーダーで読みました。主人公(?)が最後に水を抜いたプールに子供に突き落とされて死ぬのが、なんかうそ臭いなぁと思ったものです。
櫻弁当
2012/10/04 07:55
☆ 櫻弁当さんへ
そうそう、『マトリックス』もそうでしたね。
現実と思っていたら夢だったという設定は、どうにでもなるので、ある意味逃げですけどね。

サリンジャーは10代の若者にはウケがいいようですけど、櫻弁当さんは現実派なんでしょうね。
ねこのひげも、いまいちでした。
SFは好きですけど・・・こういう禅問答のような小説というのは・・・?ですね。
ねこのひげ
2012/10/04 08:20
夢と現実が交錯したら小説の中のことでも読んでいる自分が混乱して訳が分からなくなりそうです。面白そうではありますが単細胞の頭では付いていけなくなるかも(笑)
"The Catcher In The Rye" 日本でもアメリカでも若い子が読むべき本みたいな位置づけになっているようですね。息子達はハイスクールのジュニアの時に英語の授業で読んでいます。原書で読もうかなと思いつつこの歳では共感出来なそうだなと放置してます(^^ゞ
綾瀬はるかって引っ張りだこのようですが女性からは嫌われているとか? 同じ世代だったら可愛くて天然なのは許せないのかな? おじさま世代としては好きですか? おばさん世代としては可愛いですけど(^^)
うずら
2012/10/04 11:45
サリンジャーは『ナイン・ストーリーズ』を読みましたが。
熟年夫婦が歩いていて、旦那さんがいい年をして通りすがりの女性の方ばっか見るというので奥さんが暗ーくなってるっていう話が、文章はうまいのだけどストーリーがもうなんだか辛気くさくてイヤになったのを覚えてます(笑)
夢と現実が錯綜して主人公がどんどん不安になっていく、という手法の作品って、よくあるだけに玉石混交で、いい作品だとホント読んでるうちにこっちまで不安になってきたりしますよね(^^ゞ
キーブー
2012/10/04 15:34
☆ うずらさんへ
この作品はあまり複雑ではないので大丈夫ですよ。

若いときは、『ライ麦畑でつかまえて』みたいな小説にあこがれる人もいるという事で・・・・ヒッピーのバイブルみたいになって、サリンジャー本人はウンザリだったようですけどね。

綾瀬はるかさんは、デビュー当時と今でもあまり変わってない感じがいいです。
ご本人も、いまだにカメラの前に立っている自分に戸惑いを覚えるそうです。
激変する人いるじゃあないですか・・・「私は大女優よ!」みたいに・・・
おじさんとしては、そういうのは、デビューして、10年もたたない小娘がなにを勘違いしているんだ!と思ってしまいます。
吉永小百合さんクラスなら、納得しますけどね。
ねこのひげ
2012/10/04 18:45
☆ キーブーさんへ
あのころは、『ナインストーリーズ』のような小説や映画が流行りましたね。
ねこのひげも、あまり好きではないですね。
SFや冒険物、ミステリーが多かったです。
友人にはガキっぽいとバカにされましたけど・・・・
カタルシスのある明快な作品が好きです。

それで?だからどうしたの?という作品は苦手です。

この『完全なる首長竜の日』も出口のない話でありますけどね。
結末を変えて、ファンタジーにしたてると良い映画になりそうです。
まあ、すでに主人公が40代から20代に変わっているし、弟が恋人に変わっているので・・・・・どういう結末になるか?・・・・・監督の手腕が問われるところです。
ねこのひげ
2012/10/04 18:56
今日紹介された本の中で一番読みたいと思ったのが、狩野あさみさんの『亜州黄龍伝記』
いつも借りてる図書館で検索したら無かった
近隣の図書館からも借りられるので探してみよう〜
『胡蝶の夢』の故事は高校の倫社で調べましたよ
1学期の初めに数名のグループ分けして、それぞれ調べる哲学者を割り当てられるんです
1学期かけて調べて、2学期で発表(2学期制だったのでどれだけミッチリ調べたかわかりますよね〜 いまじゃほとんど忘れたけど…
乳母やのグループが荘子だったんです それ以来「夢と現実」の入り交じった感覚が好きなんです
マーシャの乳母や
2012/10/05 00:51
☆ マーシャの乳母やさんへ
『亜州黄龍伝記』見つかればいいですね。ねこのひげも思い出したら読みたくなったので、いれたダンボールを探しているんですが・・・・(~_~;)

おもしろい授業があったんですね。
老子、孔子、荘子・・・・古代中国にはおもしろい思想家がいましたね。
ねこのひげ
2012/10/05 04:50
傑作らしいですね。首長竜は絵でみたことあります。
インセプションやマトリックスは柔軟な理解力が
要りますね。龍が登場する冒険ファンタジーでは
「ネバーエンディング・ストーリー」観ました。
こちらは非常にわかりやすいですね。
綾瀬はるかさんは透明感がある女優さんですよね。
佐藤健さんも人気があるので映画もヒットするのでは
ないでしょうか。そういえば「ビブリア古書堂」は
予約を待ちきれずついに三巻とも購入したんですが
息子も買ってたんですよね^^;
ひまわり
2012/10/05 11:35
☆ ひまわりさんへ
なかなかおもしろいですよ。
ねこのひげは、本当にいた首長竜も好きですが、架空の龍も好きです。

綾瀬はるかさんと砂糖健さんもよいので、いい映画になることを期待してます。

あらっ、息子さんも飼っていたとは・・・・・ねこのひげは、自分で買って読んでいたにもかかわらず、また買ってしまったことが何度かあります(^^ゞ
ねこのひげ
2012/10/05 18:24
夢なのか現実なのか…マトリックスもだんだん訳が分からなくなりました^^;
景山民夫さんの小説。懐かしいです

原作を読んでから観るか、観てから読むか^^
別物だなと思う作品もありますよね
きよら
2012/10/06 12:33
☆ きよらさんへ
マトリックス・・・作っているほうもわかんなくなっていたかも・・・・
「遠い海から来たCOO』読まれましたか。よい小説でありました。

この映画は、別物になりそうですけどね。

あっ!いま、午後6時21分、とつぜん雨が降り出しました
ねこのひげ
2012/10/06 18:24
いつもながら博学で、読んでるうちに惹きこまれちゃいますね
なるほど・・の連続です
マンガのBANANA FISHはかなり昔読んだことあります
この作家さん吉田秋生ですが、片岡義男の小説のイラストでも有名で「ボビーに首ったけ」のアニメもかいてますよ
きっとサリンジャーのBANANA FISHに感化されて、マンガも書いたんでしょうね〜
夢か現かの不思議な世界観、是非映画でもみたいものです
タフィー104
2012/10/07 20:17
☆ タフィー104さんへ
ありがとうございます<(_ _)>

吉田秋生・・・・・そうですか。漫画には疎いもので、イラストはみた記憶があります。
映画化されてどうなるか?が、大いに興味がわきますね。
ねこのひげ
2012/10/08 04:38

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