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zoom RSS ポール・ドイロン著『森へ消えた男』

<<   作成日時 : 2012/09/04 04:00   >>

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本屋で、面白そうな本がないか?と、並んでいる本を眺めていたら、帯にあるC・J・ボックスという名前が目について『おっ!?C・J・ボックスの新刊が出ている!』と思って手に取った。
しかし、よく見ると、著者の名前が、ポール・ドイロンである。C・J・ボックスではない。
C・J・ボックスが推薦文を寄せているのが帯に載っていたのである。見間違えたのである。((+_+))



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ちょっと、ガッカリしたが、”メイン州の自然を躍動に満ちて書き上げたハイスピード・アウトドア・サスペンス”とある。


奥付を見ると、新人作家で、この作品が処女作である。


主人公が、猟区管理官。


C・J・ボックスのジョー・ピケットと一緒である。


ジョー・ピケットは、ワイオミング州の猟区管理官であり、こちらの主人公マイケル・バウディッチは、メイン州の猟区管理官である。

なるほど、それで推薦文を書いたのか。

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C・J・ボックスのジョー・ビケットシリーズは現在5冊出ている。

ジョー・ビケットについては、いずれ書くつもりですが、ブログ”団塊バカ親父の散歩話”の遊哉さんが記事にされているのでご覧ください。2012年5月24日に『裁きの荒野』の記事が掲載されてます。
ワイオミングの自然がよく伝わってきます。

遊哉さん、ジョー・ビケットはどうなるんでしょうね〜ぇ?

6冊目が期待大でありますよ。






おなじ猟区管理官が、主人公とはおもしろい!と買ったのであります。



『猟区管理官』という職業は日本にはない。


日本の森の場合は、林野庁が管理しているが、アメリカの猟区管理官とのおおきな違いは、捜査権、逮捕権があるかどうかである。


アメリカの猟区管理官は、警官と変わらない権限を持ち、担当している森林地帯で、事件が起きた場合は、捜査し犯人を逮捕できるのである。

もちろん、拳銃の所持も使用も許可されている。

日本の林野庁の役人にはこんな権限はなく、森や山で犯罪が見つかれば、警察に連絡して捜査をゆだねることになるが、アメリカでは、猟区管理官が、保安官などに連絡し、保安官と協力して捜査にあたることになる。

いまだに保安官が存在するのもアメリカらしいところである。

これは、アメリカの自然が広いという事でもあり、その森林地帯を担当する猟区管理官の協力がなければどうしようもないのである。

サクラメント在住の櫻弁当さんによれば、サクラメントには、ピューマがウロウロしているそうですしね。

札幌市内では、ヒグマが街中をうろついていたとニュースになっていますが。

彼ら野生動物の住む場所を人間が侵食しているということでしょう。



猟区管理官は、メイン州でも100人ほどおり、広大な管理区を1人で管理している。

ふだんの仕事は、森林に住むすべての動物たちの管理である。それには人間も含む。

鹿やムース、熊を狩りに来る人間や、トラウトなどの魚を釣りに来る人間が許可を得ているか管理している。

許可証を持たなかったり、違反をすれば、切符を切り罰金が科せられる。


交通違反と一緒である。


許可がないのに鹿を殺したりすれば、召喚状が送られ、悪質な場合は逮捕もされるのである。

警官と一緒である。


アメリカの自然は、彼らによって保護され管理されている。


四季を通じて、常に過酷な仕事があり、昼夜を問わず仕事があり、薄給である。



それを理解しているアメリカ人は少なく、都会から、つかのまの2〜3週間、自然を楽しみに来る人間は、事件や事故を引き起こしては、トラブルを作り続けている。


日本にも体力が衰えているにもかかわらず、山に登って遭難して迷惑をかけている高齢者が多数おりますがね。




メイン州は、アメリカ合衆国の大西洋側、東海岸の北、自然豊かな州である。





で、『森へ消えた男』の主人公マイケル・バウディッチは、そのメイン州の新人猟区管理官である。


まだ20代前半であり、就任して数か月、すでに色々な難問にぶつかり、美人の恋人が逃げ出して落ち込んでいるところに、2年間音信不通であった父親からルス電に助けを求める声がはいていた。
その直後に、父親が、殺人の容疑者として追跡されていることを知り、パニックになる。


父親は、トラブルメーカーで、マイケルが幼いころから数々の軽犯罪を引き起こしし、密猟の常習者でもある。


原題の『THE POACHER‘S SON』は”密猟者の息子”という意味である。



マイケル・バウディッチの父親ジャッック・バウディッチは、ベトナム戦争で負傷して、勲章をもらい、街に帰ってきた英雄であったが、ベトナム戦争が彼の性格を変え、酒のみの粗野で偏屈なトラブルメーカとなっていた。

ポール・ニューマンに似ていて、女たらしでもあった。
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母親はマイケルを連れて離婚して金持ちの弁護士と再婚したが、マイケルは、故郷の美しい自然が忘れられず、故郷に帰って来て猟区管理官となったのである。




殺されたのは、長年住んでいる住民を追い出して、あたり一帯を開発しようとする会社の役員と、護衛していた保安官助手である。


メイン州は、ニューヨーク、ボストンに近く、カナダのケベック州と国境を接しており、モントリオールとも近く、開発の波が押し寄せており、多くの問題を抱えていた。

『赤毛のアン』のプリンスエドワード島が、地図の北東にあります。
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殺された役員は、住民説明会に出たあと、住民の怒りを買い、激怒した住民に襲われるのを恐れて、保安官助手に守られて裏口から出て、パトカーで帰る途中、狙撃されて2人とも殺されたのである。


地域住民、全員が犯人でもおかしくはなかったが、残された証拠が、マイケルの父親を注しており、父親はふだんから、トラブルを起こす粗野な人間として知られていたため、容疑者となった。


さらに悪いことには、父親ジャックを逮捕に向かった保安官助手を殴り、木に手錠でつないで、森の中に消えていた。

カナダに逃げたかもしれない。


FBIも出てきて、大捜査網が引かれた。


だが、父親の無罪を信じるマイケルは、父親の無罪を晴らそうと奔走し、猟区調査官を停職になり、首になりそうになる。


それでも調査を続けるマイケルを手助けしてくれるのが、引退した元猟区管理官のチャーリー・スティーブンスである。

一見、柔和で物静かな老人が、直情型で興奮しやすい若いマイケルを抑え制御して、真実へと向かわせる。

彼は、元優秀な猟区管理官として知られ、畏敬の念と地域の尊敬を一身に集めていたのだ。


周りの人間、上司のキャシー・フロストやティモシー・マルコム、街の住人が、殺人の容疑者の息子であるにもかかわらず、なにくれとなく、新人の猟区管理官であるマイケルの面倒を見て、協力援助してくれたのは、実は彼のおかげであった。


チャリー・スティーブンスが、なぜ、そこまでしてくれるのかも、説明はないが終わりの方でわかってくる。


彼、チャリー・スティーブンスの引退生活も、まさに憧れでありますよ。

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湖の岸辺近く、森に囲まれたコテージに住み、2人乗りの水上軽飛行機”スーパーカブ”機で、自由に空を飛び、
湖で釣ったトラウトを夕食に食べ、夜ともなれば、ベランダに出て、フクロウやコヨーテに呼びかけ、森にはいて降るような星を眺める。

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本文ではスーパーカブとだけなっているが、たぶんパイパーPS−18−150水上機のことでありましょう。

日本だと、ホンダのスーパーカブが思い浮かびますけど・・・・・・・


まぁ、カブみたいな飛行機ではありますが・・・・・


しかし、まさに憧れの生活であります。


事件は、畳み込むように、まさにハイスピードで進み、ラストで思わぬ展開を見せ、アメリカの暗部というか、人間の心の中の闇を知らしめることになる。




日本語のタイトルのように、暗い森の中に消えていった男の物語でもあります。


心の中の・・・・・・ですがね。





                                    





このメイン州の新人猟区管理官”マイケル・バウディツチの本は、3冊出すことが契約されているそうで、この『森に消えた男』が1冊目で、アメリカで好評を持って迎えられたそうである。

少なくともあと、2冊は出版される予定なので楽しみであります。


作者のポール・ドイロンは、メイン州出身で、現在も、メイン州のニジマスの泳ぐ川のほとりに在住しているそうである。


メイン州在住の有名な作家としては、スティーブン・キングが挙げられます。2011年9月8日に『ミスト』という映画を取り上げましたが、これはメイン州で起きた事件を描いた『霧』が原作であります。


映画『ミスト』は、テレビ東京の午後のロードショーで、きょう(2012年9月4日)の午後1時25分より放映予定です。


『ショーシャンクの空に』のフランク・タラボン監督により、よい映画に仕上がってます。




                                      






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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
猟区管理官って 警察官と自然保護官を合わせたような仕事なんですね
最近の本は 帯に色んな事が書いてありますよね
帯に騙されそうで・・・ あまり 参考にしない事にしています
みるしっぽ
2012/09/04 07:01
☆みるしっぽさんへ
出版社も買ってもらおうと必死なんでしょう。
でも、内容とそぐわないものもありますけどね。

この本は、勘違いしてよかったです。
ねこのひげ
2012/09/04 07:05
アウトドアサスペンス面白そうですねー。
きのう午後ロで森がテーマの「ヴィレッジ」
を観たところなので。今日の「ミスト」も
以前に紹介されてたのでラスト15分を期待
してワクワクしますね~

私にもプリンスエドワード島やイギリス
湖水地方は夢憧れです。ウインダミアには
訪れましたが自然が素晴らしい人は優しい
ところなんですよね(*^_^*)
ひまわり
2012/09/04 08:42
 この本、ブログには書きませんでしたが、1、2年前に読んだことがあります。
 同じ猟区管理官の話でも、舞台がワイオミングとメインということで、ジョー・ピケットシリーズとはだいぶ自然の雰囲気が違うような気がしました。
 この物語では、書かれているように元猟区管理官のチャーリーが魅力がありますね。人間的にもですが、生き方というかその引退生活がいいですね。憧れますね(~_~)。
 主人公のマイケルはまだまだ未熟という感じですが、シリーズだからこれから成長していく楽しみがありそうです。
 続編はできていて、翻訳がまだなのかよくわかりませんが、読みたいです。
 ジョー・ピケットシリーズも続きを早く読みたいですね(~_~)。
遊哉
2012/09/04 11:22
アメリカの大自然が感じられるというのは興味が湧きます。
>湖の岸辺近く、森に囲まれたコテージに住み、… そんな生活に憧れますねぇ。
メイン州の田舎町に立ち寄った時、東洋人自体珍しかったらしくジロジロ見られたことを思い出しますが(笑)
ジョー・ピケットシリーズというのはワイオミングが舞台ですか。これまた憧れの地。あの見渡す限りの大自然を人と動植物が共存しあえるのは猟区管理官の人たちのおかげですよね。
うずら
2012/09/04 17:24
☆ ひまわりさんへ
なかなか、おもしろいですよ。映画のようにシーンが浮かびます。

『ミスト』のラストは、スティーブンキングが原作ですから、ワクワクというより悲劇ですけどね。

ピーターラビットのウインダミア、行かれたんですか〜
いいですね〜
ねこのひげ
2012/09/04 18:35
☆ 遊哉さんへ
やっぱりよまれてましたか。遊哉さんはたぶん読んでいるだろうと思いましたよ。
ワイオミングの自然は荒々しく、メインは、湖があるせいか、すこし優しい感じがしますね。

チャリーが第二の主人公という感じでしたね。

就任してから数か月ですし、20代ですからね。2冊目では、もっと大人になっているのでしょう。

ジョー・ビケットの6冊目は、5冊目のラストの知事とのなんらかの係わりがありそうですね。
楽しみです。
ねこのひげ
2012/09/04 18:43
☆ うずらさんへ
アメリカの自然は広大でいいですよね。
湖畔での生活なんて、日本では騒々しそうで・・・軽井沢なんか、地元の人は夏の間、外に出たくないそうです。

メイン州行かれましたか?いいですね。
ねこのひげは、NYと、中部から西部・・・カルフォルニアからアリゾナとかニューメキシコは行きました。
ねこのひげの本名は、英語にはない発音だそうで、入たレストランやお店で呼ばれるときに『ミスターサムライ』と呼ばれて、呼ばれるたびに店のお客がいっせいにこちらを観て恥ずかしかったです。

ワイオミングやメインも行ってみたかったですね。
ねこのひげ
2012/09/04 19:07
ほんとに衝撃のラストでした。。。
パニック心理の怖さもありましたね。
霧といえば「ザ・フォッグ」も怖かったですよね。

ひまわり
2012/09/04 20:46
マイケルが主人公のメイン州の話もワイオミング州の話もどちらも面白そうですね。メイン州は東北部のニューイングランドだし、ワイオミング州はバッファローが群れをなす西部だから、自然の様子は全く違うでしょうね。
飛行機でUSの上を飛ぶとその豊かさや雄大さがよくわかります。数十年前、櫻弁当の父が初めて来た時、「こういう国と戦争(← 第二次世界大戦のこと)をしても、日本が勝てるわけないよなぁ」と真顔で言っていたことを思い出します。
櫻弁当
2012/09/04 23:49
☆ ひまわりさんへ
もう少し・・・・もう少し・・・我慢していれば・・・・
ですよね。
『ザ・フォッグ』も、終わったと思ったら・・・でしたね。
ねこのひげ
2012/09/05 05:00
☆ 櫻弁当さんへ
両方とも、自然の描写がいいですね。
ねこのひげは、車やバイクで走りましたが、砂漠の中を水平線まで続く一直線の道路を観て、アメリカは広いな〜と思いました。

アメリカの奥地では、日本と戦争をしたのを知らない人がいたそうです。
山本五十六は、戦争を2年間で終わらせて、USと和解するつもりだったそうです。
でも、陸軍が暴走を始めたのを止められなくて、敗戦へと走ってしまったんだそうです。
ねこのひげ
2012/09/05 05:13
元猟区管理官のチャーリーの、悠々自適な引退生活にとても心惹かれました
プリンスエドワード島の近くですか。それはさぞかし素敵な景色でしょうね(*^_^*)
湖でとれた魚を食べ、泳いで遊び(レトリバーを飼わなきゃ)、夜は降るような星を見る・・・ああ、想像しただけでうらやましいです(笑)
キーブー
2012/09/06 14:51
☆ キーブーさんへ
主人公のマイケルより、チャーリーのほうが魅力がありますね。
ほんと!うらやましい引退生活です。
日本だと、北海道・・・富良野かな?
メイン州はカナダと国境を接してます。
ねこのひげ
2012/09/06 18:33
猟区管理官ですか。なるほどアメリカですね。
何でもできる自己完結型がいいですね。日本人には無理かな。
moumoupapa
2012/09/06 18:46
☆ moumoupapaさんんへ
日本みたいに、すべての権力が警察に集まっているのも感心しませんけどね。
ねこのひげ
2012/09/06 19:33

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