ねこのひげ

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zoom RSS DVD三昧ー『世界最速のインディアン』

<<   作成日時 : 2011/10/13 04:45   >>

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レクター博士こと、アンソニー・ホプキンスのホラー映画ではない映画である。バイク映画である。
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殺人鬼も拳銃もでてこない善意あふれる人々の物語です。

ニュージーランドの片田舎”インバカーキル”に住むバイクのスピードにとりつかれた老人の物語です。
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早朝からバイクのエンジンの調整を始めて、近所の安眠を妨害して迷惑をかけ、こんどは警官を呼ぶぞ!と怒鳴られます。

本人は謝りながらも反省している様子はない。彼の一日は、いや一生はたった1台のバイク『1920製のバイク”インディアン・スカウト”』に捧げられている。

今日もバイクのピストンを改造し、フレームを磨き、そして早朝の人気のない道路や海岸を走っては、インディアンのスピードを上げる努力をしている。
そうして40年以上もコツコトと改造を続けているのである。



インディアンというバイクは・・・・・・・・1901年にバイクレーサーのジョージ・マロリー・ヘンディーとエンジニアのカール・オスカー・ヘッドストロームにより創設された会社で作られていたバイクであり、ハレーより高級志向のバイクであった。

高級であり高性能であり、多くのバイク乗りの憧れであった。

うちのオヤジも乗っていた。オヤジは放蕩息子であったのである。


この映画に登場するインディアン・スカウトは、1920年に生産が開始された。

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日本では、インディアン・チーフが1918年に警視庁に採用され赤バイと呼ばれて名前が知られるようになり、当初はハーレーより有名であった。

1923年に会社名がインディアンモーターサイクルと変更されたが、自動車の台頭とともに売り上げが減少し1959年に会社を解散し、後に倒産した。

他社のバイクがベルト駆動の時代に、初期段階からチェーン駆動をつかうなどの斬新さはあったが、高級志向のため時代の波に乗り切れなかったようだ。

2006年に新生インディアンモーターサイクルが作られ、2010年から日本でも、新インディアンが販売されている。
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彼、バート・マンローの夢は、この自分で改造したインディアンで世界記録を出すこと。

アリゾナ州ボンヌヴィルで世界記録を出すこと。

しかし、彼バート・マンローは63歳の年金生活の老人であり、金も地位も若さもない。それでも彼は今年こそスピード記録の聖地アメリカ・ユタ州のボンヌヴィルで、世界記録に挑戦することを夢見ている。


そのために年金をコツコツと貯め、バートの所属するバイククラブの連中がパーティーを開いてはアメリカに行くための資金集めに協力してくれている。

でも町の人間は誰も、彼が世界新記録を出せるとは思っていない。かつてはオーストラリアとニュージランドのスピードの新記録を作ったが、年齢的に無理なのは誰しもが感じていることだ。

パーティーの会場に暴走族が乗り込んできてバートをからかったりする。


隣の家の少年トムが聞く。

「ねえ、なぜバイクの世界記録にこだわるの」

    「たった5分間の時間が人生の長さより大切なときがあるのさ」

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今年がダメなら来年があるさ。来年がダメなら再来年が・・・・・・しかし、そうは行かない事態がきた。
彼の心臓が狭心症になり、狭心症の薬ニトログリセリンを常用せざるを得なくなった。

そこで土地を担保にいれてアメリカへの渡航費用を捻出してアメリカにわたった。

まさに田舎のおじいさんの大都会ロスアンゼルスでの珍道中が始まる。

『バートじいちゃん、アメリカに行く』の始まりである。

ロスアンゼルスの喧騒に戸惑い、タクシーの運転手に馬鹿にされ、ホテルを頼めば日本のラブホテルといえる安いモーテルに連れて行かれる。

そこは泊まるところではなく一時間なんぼで恋人二人で楽しむところであり、さっそく怪しい女に10ドル札をかすめ取られ、売春婦に声をかけられる。

その上、受付の女性ティナもオカマであった。


バート・マンローは、戸惑いながらも偏見をもたない。持ち前の陽気さで接していき、次々と男女を問わずひきつけていく。

「ティナ、君はレディーだ」「あたしは女よ」

ティナに中古車屋に連れて行ってもらい、そこの中古屋の主人にも手伝わせて運んできたインディアンの運搬車を手作りするのを手伝わせた挙句、徹夜で作り上げてしまう。

そのお礼に全中古車のエンジンを調整をしてやると、中古車が新車のような軽快なエンジン音を出しだす。バートは優秀な整備士でも会った。早く厄介払いをしたかった中古車屋の態度が豹変する。ここで働いてくれといわれるが、ボンムヴィルに行かなければいけないからと断り出発。


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途中、片田舎のレストランによったり、アメリカのご婦人と一夜をすごしたり、本当のインディアンに助けられたりしながらも、ついにユタ州ボンヌヴィルの塩の砂漠に到着する。

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しかし、そこで大きな問題が待っていた。

レースに参加する前に、一ヶ月前の7月31日までに参加するための登録が必要だったのだ。

ただボンヌヴィルに来ればレースに参加させてもらえると、バートは思っていたのだ。


悲嘆にくれる彼に、周りから手が差し伸べられ、バイクの検査だけは受けられるが、その作りに係員はあきれ驚く。

車体は40年以上前のオンボロインディアンバイクの車体で、トイレの蝶番やウイスキーのコルク蓋が使われ、タイヤはひび割れだらけで、とてもまともに走れるとは思えなかったからだ。

それでも試験運転だけは周りの人間の助けで許可が下りた。誰しもが100キロオーバーを出せるバイクとは思わなかったからだ。

「せいぜい112,3キロもだせればいいほうさ」

ところが、その試験で180キロオーバーを出し、驚かせる。しかもトップギアではなくセカンドギアだった。

レースに参加している連中からアシスタントの女の子、お客までが彼を応援するようになっていく。


そして本番当日。周りの最先端をいくスピード記録を出すためだけに作られたレースカーに混じり、バート・マンローは愛車インディアン・スカウトを駆り、記録に挑戦する。

一マイル・・・・・2マイル・・・・・・3マイル・・・・・・・・255.17キロ・・・270.242ロ・・・・・275.794キロ・・・・


ついに312.552キロを記録して新記録を打ち立てる。



                                


バート・マンローは実在の人物であり、この映画は彼の伝記に基づいて作られたフィクションであり、脚色されている。

映画のバート・マンローは独り者の孤独な老人だが、実際のバート・マンローは、奥さんがいて3人の子持ちでありました。

最終的にバート・マンローのインディアンスカウトは、非公認ながら331キロを出していて、排気量1000CC以下のバイクの記録をいまだに持ち続けている。

バート・マンローのインディアン・スカウトは、アメリカモーターサイクル協会の『モーターサイクル博物館』に展示されている。


監督のロジャー・ドナルドソンは、オーストラリア出身で長年バート・マンローとインディアン・スカウトの物語の映画化を考えていたそうだ。

監督作品にはトム・クルーズ主演の『カクテル』。ピアース・ブロスナンの『ダンデス・ピーク』がある。最近では『バンク・ジョブ』がある。


『世界最速のインディアン』は、2005年にニュージランドとアメリカで、2007年に日本公開されたが興行的には失敗した。

が失敗した作品がかならずしも”駄作”とはいえないことを証明している映画である。


アンソニー・ホプキンスというとどうしても『羊たちの沈黙』のような犯罪映画の印象が強いからだろう。

ハンニバル・レクターが、世界で一番怖い悪役の2位に選ばれたそうである。1位はダースベーダー。ねこのひげは、レクターはそんなに怖いとは思わないけどね・・・・・・・何千万の国民の命を危機にさらしても平然と金を要求する奴のほうがよほどか怖い。

「わたしは、たった3人殺しただけですよ」
                 チャップリンの『殺人狂時代』より・・・・・


しかし、こういう映画のとぼけた演技も味があります。

アンソニー・ホプキンス以外、2,3名の俳優をのぞいては、ほとんどが、日本では知られていない俳優だが、それがリアル感をかもし出している。


スモークされた本物のベーコンのように噛めば噛むほど味が染み出してくる映画である。


ちなみに、バートに一夜の相手を頼んだ未亡人エイダは『アリスの恋』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞したダイアン・ラッドである。


ねこのひげなど歳を取って根性が悪くなっているせいか、なんども、こいつに騙されて有り金残らず盗まれるのではないか?とか税関の役人やパトカーの警官に意地悪されるのではないか?

ベトナムからの帰還兵?・・・・同乗させて大丈夫か?

親切そうな二人組みに騙されるのではないか?

袋叩きに合わねばいいが・・・・・・・

・・・・・・・・と色々な憶測を持ったが、何事もなく映画は終了し、バート・マンローは、ニュージランドに帰り、地元のインバカーキルの人々に迎えられ、彼はまた来年のボンヌヴィルのレースに参加するための新たな準備を始めるのでありました。

インバカーキルは実在の町です  



そのあともバートは、ボンヌヴィルに9回も戻り記録を塗り替えたのであった・・・・・・




犯罪大国といえど、すべてが悪人ではないという映画であります。

善意あふれる人々もいるのです。








                                  







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参考資料


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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
正に男のロマンですね。
それを支える周りも素晴らしい!
アンソニー・ホプキンスは
悪役のイメージが強いけど、
ちょっと地味めな穏やかな役も
いい味出しますよね。
しかしねこのひげさんは
隠れた名作を探すのがお上手ですね。
ミヤニャン
2011/10/13 10:50
バイクのことはさっぱりわかりません^^;
なので、「しかもトップギアではなくセカンドギアだった」という箇所もさっぱりです。すみません(笑)
それにしても、ホラーやサイコサスペンス以外の作品のアンソニー・ホプキンスというのがどうも想像できないですね(^^ゞ
レクター博士はすんごく怖かったです。
お話の通じない怖さというか・・・しんしんと怖くなってくる感じで
キーブー
2011/10/13 16:20
最近はエクソシストの役を演じて、相変わらずの怖さを出していたアンソニーですが、ねこのひげさんの紹介を読んでなるほど、やっぱりアメリカは夢を大切にする国だと思いましたね。
moumou.h53
2011/10/13 19:40
凄い記録ですよね。F1並じゃないですか?
ハーレーより高級とは。お父様は時代の先端をいってらしたのですね!
アンソニー・ホプキンズを最初に観たのは「ジャガーノート」でした。
レクターとはほど遠い役でしたが・・・ハッピーエンドはいいですよね(v^^)
ひまわり
2011/10/13 19:45
☆ ミヤニャンさんへ
みんなが、バートの一途さにほだされてなんとかしてやりたくなるんですね。
悪役のイメージが強すぎたんでしょうね。おかげでこの映画はヒットしませんでした。(>_<)
ねこのひげ
2011/10/13 19:58
☆ キーブーさんへ
トップというのは一番スピードの出るところです。それより低いところでも180キロ出せたということです。
アンソニー・ホプキンスもたまには違う役をやりたかったんでしょうね。
いい話ですけどね。
ねこのひげ
2011/10/13 20:02
☆ moumou.h53さんへ
一文の得にもならないけど、手伝ってやったり、規則を曲げて参加させてやるんです。
それがこの映画のいいところで、金のためだけじゃあないところがいいですね。
ねこのひげ
2011/10/13 20:10
☆ ひまわりさんへ
はい、最新鋭のF−1並の記録です。それを40年前のオンボロバイクを個人が改造してだしたんです。
オヤジはホウトウ息子で、ヒイじいさんからの財産を遊びで食いつぶしました。おかげでねこのひげには一文も残りませんでした。
『ジャガーノート』はねこのひげも観ましたが、アンソニー・ホプキンスはやはりレクター博士ですね。
でも、たまには、こんなハピーエンドの映画もいいですね(*^_^*)
ねこのひげ
2011/10/13 20:20
えっ、猫のひげさんのお父上、インディアンに乗ってた?

確か、お父上は 予科練帰りだったんじゃ…。やはり発動機にご縁があるのかな。

いや、バイクの事は何ほども解りませんが、今のアメリカで いい話ってのはこういう形になるのかな、と思いましたね。
製造業が衰退するのは寂しい限りです。特にこういう高級機種は後継社が無いですから。

諸行無常・盛者必衰の世ですが、日本のメーカーで、このように愛惜される機器があるとすると…何だろう?ふと、考えさせられましたね。
レッドバロン
2011/10/15 04:51
☆ レッドバロンさんへ
予科練から特攻隊に行かされかけた直後に終戦になり、慶応大学に通っていたそうで、そのころに乗っていたと言ってました。
米軍の基地でトラックでの運送もしていたとか言ってました。
もちろん、ねこのひげは、生まれてませんから見たことはありませんけどね。

あの時代はよかったというノスタルジーがありますね。
アメリカでも、自分たちで作るという気運が戻ってきているそうで、日本でも、また見直されるときがくるでしょう。
ウォール街で金を儲けているばかりが能ではないでしょう。

ソニーのウォークマンを見て、あのアップルの故ジョブス氏は、このような製品を作りたいと思ったのが、アップルを創業するきっかけだったそうですよ。
ねこのひげ
2011/10/15 05:21
面白そうな映画ですね。
アンソニー・ホプキンスのファンです。10年ほど前に、ユタ州を訪れたこともあるので、ぜひ、見てみたいと思います。
bt9
2011/10/16 10:58
☆ bt9さんへ
いい映画ですよ。ぜにご覧ください。
たまには、こういうアンソニー・ホプキンスもいいですよ。
ユタ州いかれましたか。
あの一直線の道路には感激しますよね。さすが、アメリカ大陸です。
このボンヌヴィルの塩の湖にもいきましたが、一面塩ですごかったです。
ここでは、色々な映画が撮られてます。有名なのは『インデペンデンス・ディ』です。
ねこのひげ
2011/10/16 19:40

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