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zoom RSS ロバート・B・パーカーとディック・フランシスを悼む

<<   作成日時 : 2011/05/21 04:19   >>

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去年、探偵スペンサーシリーズのロバート・B・パーカー死去のニュースがあったので、ブログ記事を書いていたら、ディック・フランシス死去のニュースがはいてきたので、全面修正して書き直していたら、なんやかやと時間がたってしまったのであります。
・・・・・というか公開するタイミングを逸してしまったていたのです。
好きな作家が立て続けで、ガックリでありました。
自分もそういう歳になったということか?

ロバート・B・パーカーが2010年1月18日 77歳。ディック・フランシスが2010年2月14日 89歳。
アメリカとイギリスの推理小説の両巨頭が相次いで亡くなったことになる。
両方とも好きな作家であるので残念である。

両者とも、推理小説家であるが、単純な謎解きだけの通り一辺倒のただの探偵物小説を書いてないところがいいのです。

デッィック・フランシスは、オフクロと同い年で、年齢が年齢だからしかたないが、ロバート・B・パーカーには、もうすこしがんばって欲しかった.。オヤジも77歳で死んでいるし、児玉清さんも77歳で亡くなっている。
男の限界点かな?

ちなみに児玉清さんはディック・フランシスのフアンで、『配当』(原題TwiceShy)以来原書で読まれていたそうである。


この二人の小説家の画像を比べるだけでも、アメリカとイギリスの違いが如実にわかるのが面白い。

ロバート・B・パーカーは、外見的にもマッチョである。

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これは、パパ・ヘミングウェイ以来の伝統といえますかね。

アメリカ人というのは、小説の内容と同じように、男というのは、タフでなければならないというようなところを体現してみせる。

アメリカ人は、強い父親。家族を絶対守る父親。というイメージを常にもとうとしてる。

だから、パーカーの描く小説の中でも、私立探偵スペンサーは、さりげなく大人の男のあり方というものを少年に語ってやるシーンがあったりするのです。



『初秋』という作品である。

夏のある日、父親メルに誘拐されたという少年ポールを取り返してくれと母親パティから依頼されたスペンサーが救いに行く。

だが、彼スペンサーは、どうでもいいという反応しかしない無気力な少年を立ち直らせる努力をすることになる。

少年は離婚した両親のイヤガラセの道具でしかなかったのだ。両親とも、少年ポールに対して一辺の愛情のかけらも持っていなかった。

タイトルの『初秋』(EarlyAutumn)というのは、”人生の初秋”の意味でもある。少年をこのままにしておけば、少年は15歳にして”人生の冬”(Winter)を迎えることになる。



両親は、すでに救えないが、少年はまだ救えるのではないかとスペンサーは思うのである。

父親は、町のヤクザとつるんで、深く犯罪にかかわり、母親は、男に逃げられないために少年を捨てている。

母親が、スペンサーに依頼して父親から取り返させたのはイヤガラセのためなのであった。


大人にとってもなるほどといえる人生の”教え”ともいえる語りが俊悦であります。

テレビや雑誌の受け売りでしかない物の見方をする。それを自分の意見と勘違いしている人間がポールの両親である。

いまの日本でも大勢いますけどね。

テレビなどで、これが流行っているとか大ブームですと言われると、すぐにそれに乗ってしまう。

ほんとうに流行っているのか?ほんとうに自分に必要なのか?考えようともしない。


東日本大震災で買いだめに走ったニュースや放射能差別のニュース、幼児虐待などのニュースを見ていると、『初秋』は30年前の作品ですが、現代にも通じるものがあると思うのでありますよ。


しかし、恋人のスーザンは、少年を救うことは、ほぼ不可能だという。

それをスペンサーは彼流のやり方でやってみる。

父親と組んでいた町のボスからの妨害や攻撃をかわしながら、徐々に少年を鍛え立ち直らせていく。



作品の最後の数行・・・・・・・

「ただし、ぼくは、なにも自分のものにすることはできなかた」

「できたよ」

「なにを?」

「人生を」


ちょっと、キザであるけど、泣かせるセリフである。


本当のウィンターシーズンを前にして、少年は”人生の夏”を取り戻したのである。


続編『晩秋』もなかなか・・・・・である。




逆に、パーカーに比べて、ディック・フランシスは、典型的イギリス紳士を思わせるが、実は彼の描く競馬ミステリー小説と同じく自身も障害物競馬の騎手であり、10回以上も落馬して骨折をしている。

エリザベス女王の母、エリザベス王太后の専属騎手でもあった。


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350勝以上した後、騎手を引退して新聞記者をしているときに、自分がもっとも詳しい競馬の世界を書いた推理小説『本命』がヒットして本格的に作家になった。

内容は競馬に詳しくなくても馬に興味がない人でも楽しめるような内容である。

作品ごとに主人公が変わり職業もさまざまなのが特徴である。

同じ主人公や職業であったことはほとんどない。

違えるというのは、けっこう大変だと思うけんだけどね。

ある作品ではガラス工芸家が主人公であり、ある作品ではシェフが主人公であったりする。酒屋の旦那がというのもあります。

『血統』という作品では、主人公がイギリスの諜報員なのですが、スパイがはいてくるのを防止するスパイなのです。

しかも、うつ病で、いつも死にたがっているのです。自殺するための拳銃をいつも身近から離しません。

上司から行方不明になった馬を探してくれるように頼まれてアメリカにわたることに・・・

その事件を公開すれば、馬が価値がなくなるので、どうのように解決するかがポイントである。




ディック・フランシスの描く小説はつねに競馬にかかわる作品というところでは共通している。





両者の描く小説は、良質なミステリーはなんども読み返したくなるという典型で、結果がわかっていてもなんども読み返したくなります。

ネタバレして面白くなくなる作品などは小説であれ映画であれ二流であると思うのであります。

そんなこと言っていたら歴史小説など成立しません。司馬遼太郎は小説家として存在してなかったでしょう。信長も龍馬も殺されるのはわかっているのですから・・・・

読まれる読まれないは作家の筆力の問題でしょうね。


ディック・フランシスの作品は、主人公が、関ることになる周りのイギリス上流社会の陰険さや陰湿さが描かれていてじっくりと読ませます。


それに屈服しない主人公。



ひ弱そうにみえてけっこうタフでガンコなのが、イギリス人といえますですね。








                                


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追記

2011年5月22日午前7時6分  かなり強い地震発生

震源地は銚子の上のほう

震度4 

深さ40キロ マグニチュード5・5


やっと落ち着いてきたと思ったらこれだもんね(−−〆)







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参考文献



初秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)
早川書房
ロバート・B. パーカー

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早川書房
ディック・フランシス

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