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zoom RSS 時代劇ドラマ『楠ノ木は残った』

<<   作成日時 : 2010/05/08 04:26   >>

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山本周五郎の時代劇小説『楠ノ木は残った』が、2月20日、また作られてテレビ朝日で放映されましたが・・・。
何度目ですかね?根強い人気があるようです。
1970年のNHKの大河ドラマで、ブームというか大騒動になったのを思い出しました。
主人公である原田甲斐は、それまで映画や歌舞伎の世界では悪党として描かれていました。それが、このNHK大河ドラマでは、藩を救った忠臣、善人として描かれているからです。
困ったのは、この『楠ノ木が残った』の舞台である仙台伊達藩のあった宮城県仙台市です。

仙台伊達藩というのは、あの独眼龍正宗の伊達政宗が初代の藩主です。

NHKドラマになれば、観光誘致のためのいい宣伝になるのは、いま放映中の『龍馬伝』を見る間でもなく、その地方の宣伝になり、ブームになることはあきらかです。

小説を読んでない人でもテレビは観ますからね。

視聴率が低くなったとはいえ、いまでも、NHKの大河ドラマの影響は大きいですが、あのころは、もっとすごかったのです。

ところが、仙台では、主人公の”原田甲斐”というのは、藩政を牛耳って私欲をむさぼった”極悪人”と何百年も言われ続けた人物だったからです。

それが、180度転換して藩のために死んでいった忠臣、善人として描かれているのが、山本周五郎さんの小説『楠ノ木が残った』なのです。

この小説は、ベストセラーになり、NHK大河ドラマになることにより、さらに大ブームになり、大論争を巻き起こしました。

NHKでは、善人に描かれている人物が、仙台に来てみれば悪人ではまずいわけです。

観光客誘致の妨げです。

結局、原田甲斐を善人に塗り替えることになります。仙台は大騒ぎだったようです。

博物館や神社仏閣の説明文などを作り直したそうです。


そして、善人にしたことにより、仙台は『楠ノ木が残った』ブームに沸き、一大観光ブームがおき、仙台に、大勢観光客が訪れ、大金をばら撒いていきました。

NHKと小説のせいで、いまでは原田甲斐は善人ということになってます。

大河ドラマの古いところでは日野富子。最近では徳川慶喜なんかも善人というか立派な人物として描かれてました。

おいおい違うだろ?ですが・・・・


この『楠ノ木は残った』の歌舞伎版の『伽羅先代萩(メイボクセンダイハギ)』では、原田甲斐は、仁木弾正という役名で登場する大悪人として描かれてます。

でも、なぜ、善人だった原田甲斐が悪人として描かれていたのでしょうか?(?_?)



この『楠ノ木は残った』と『伽羅先代萩』のもとになったのは、江戸時代、1660年から1670年ごろにかけて、仙台伊達藩に起きた”伊達騒動”のことです。

『伊達騒動』とは、

仙台藩三代目藩主伊達綱宗が、若くして酒や女におぼれ、放蕩三昧のあげく、藩主として不適格として、幕府により、強制的に隠居させられ、2歳の息子の綱村が跡を継ぐあたりの騒動のことです。

いまでも、伊達綱宗と似たようなのは、いっぱいいますが、代表は、朝青龍かな? (^_-)-☆

で、この騒動の後に幼い藩主の綱村の後見になって暗躍したのが家老だった原田甲斐ということになってますが・・・・・。

実際には、諸説あって、藩主の綱宗が、当時の天皇の従兄弟であったため、朝廷と伊達藩が結びつくのを恐れた幕府が伊達藩を取り潰そうとしたのを、原田甲斐がすべての罪をかぶって死んで、藩が取り潰されるのを阻止した。というのが一つの説で、山本周五郎さんの小説の元ネタです。

歌舞伎では、江戸時代に、この事件をもとにした芝居を作るとき、時代を戦国時代にして、原田甲斐を仁木弾正(これは、松永弾正のことです。)という名前に変えて、戯作者(脚本家&小説家)が、原田甲斐を、お家乗っ取りを図った極悪人として面白おかしく描いたわけです。

この歌舞伎の『伽羅先代萩』から原田甲斐が悪党のあつかいを受けるようになった。というのがもうひとつの説。

仁木弾正(原田甲斐)を、善人にしたら、幕府が悪いことになりますからね。

幕府を悪党にしたら、『アバター』が中国で上映禁止なったみたいに、歌舞伎の舞台公演禁止です。

で、この歌舞伎の影響で原田甲斐は悪党ということに・・・・。



仁木弾正のモデル松永弾正も、主君である三木氏を操って私腹を肥やした大悪党と生きていたころから言われていたので、悪党として描くのには困らなかったわけです。

足利将軍を殺したり、東大寺を焼き討ちして大仏を消失させたりしたと言われてます。

群雄割拠して混沌としていた戦国時代には、こんなタイプはけっこういたわけですけどね。


代表的なのが、マムシと呼ばれた斉藤道三。小田原の北条早雲なんかです。

二人とも仕えていた主君を蹴飛ばして国を乗っ取ってます。

斉藤道三は、司馬遼太郎の小説『国盗り物語』になってます。

いまで言えば、社員が会社を乗っ取って社長になるようなものですかね?

織田信長の織田家が、その最右翼です。仕えていた守護大名の斯波氏(シバシ)を滅ぼして尾張を手に入れます。


実は、伊達綱宗のおじさんの一関藩主の伊達宗勝が、老中と結託して、伊達藩の乗っ取りを図ったので、それを防ぐために原田甲斐が罪をかぶせられて殺された。

といった説もあります。


実際には、全部の説が入り混じって起きて、権力闘争の末、力関係で原田甲斐が負けた。と言うことのような気がしますけどね。

いつの時代も権力争いは、醜いですね。


今回のドラマでは原田甲斐は、田村正和さんでしたが、NHKのときは、平幹二朗さんでした。

NHKの平さんのほうが似合っていた気がします。


井上真央さんは、かわいくてよかったですけどね。


でも、この伊達藩の藩主である伊達綱宗という人が、かなりの趣味人であったことは間違いなく、彼の書いた絵画、和歌、書、刀剣などが『仙台市博物館』に残されていて、そうとうな芸術好きだったのが偲ばれます。



見ると、芸術に金を使いすぎて政治をかえりみなかったので隠居させられたのが間違いないと納得させられます。

海外で言えば、ノイシュヴァンシュタイン城を作ったルートヴィヒ2世のような人物だったのかも知れません。

ルートヴィヒ2世は、豪華すぎる城を作って自国バイエルンの財政を破綻させかけて隠居させられたあげく水死してます。(この事件も、部下に殺されたのではないか?と言われてます。)

伊達綱宗は、日本のルートヴィヒ2世というところかな?

伊達藩の”伊達”というのは、派手好きを意味する「伊達男」(ダテオトコ)の語源になりました。藩主が派手好きなのは藩祖伊達政宗公よりの伝統のようですけどね。


原田甲斐が、悪党か善人なのか、正確な資料が残されているわけではありませんから、わからないわけです。


歴史は時代の体制者の都合や書く人の解釈によってコロコロと変わります。


現代では、眉をしかめるようなことでも、その当時では当たり前のことだったのかもしれません。


歴史上の有名人も、時代によって大物になったり小物になったり・・・・・。


立場立場によって、時には、善人になったり悪人にされたりするわけです。


利用価値の問題でしょう。


じっさい、1人の人間のなかに、善悪両方があるのが普通です。

絶対にこうだということはないのです。


服装で問題児あつかいされたスノーボーダーの国母和弘選手も、難病に苦しむ友人のために先頭に立って募金活動をしていたとして評価が逆転してきています。

これで、メダルでも取れば手のひら返しだったところでしょう。

まあ、世間というのはいい加減なもので・・・・・。

公式の席ではこういう服装にしろと言わない周りの人間のほうに問題があると思うのですがね。

ローリングストーンズでさえも、女王陛下に会うときは、きちんとしてましたからね。


周りが、朝青龍のときの相撲協会みたいなのばかりなんだろうね。



他の記事を優先していたら、のびのびになってしまい、いまごろ公開してます。(^^ゞ




この伊達藩の居城である仙台城は、別名『青葉城』とも呼ばれ、”さとう宗幸”さんの『青葉城恋歌』でも知られてます。






                                   


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参考資料



樅ノ木は残った (上) (新潮文庫)
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樅ノ木は黙して語らず ...
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山本 周五郎

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
『楠ノ木は残った』から始まり、色んな歴史上の話が書かれていて、
ねこのひげさんの知識の広さには、関心します。
歴史上の統治者の評価は難しいし、今を基準に類推するのも無理が有るように思います。
まして、人間を、善人、悪人の2つに分けようとするのも無理でしょう。
当時の、社会情勢、利害関係など、どこを視点にするかでも変わってきますよね。
信長は、残酷な人物(リーダーシップの為には必要だった)の反面、当時の経済、社会の安定に寄与したことも否めないし、、、。
だから、歴史を知るのは、面白い
T&M 
2010/05/08 11:09
「樅の木は残った」。。。昔、リアルタイムで平幹ニ郎主演で見ました。
歴史上の人物は概して善人・悪人のどちらかで描かれる事多いですが、やはりその時代背景や為政者の個人個人の考え方を持ってすれば、簡単にどちらともいえないのでしょうね。
みつば
2010/05/08 15:10
☆彡T&Mさん、おはようございます。♪
現在では、びっくりするようなことでも、当時では、当たり前のことだったりすることがありますからね。
織田信長も、敵や部下にきびしい反面、秀吉の奥さんねねに慰める手紙をだすようなやさしいところもありますからね。
おもしろいですよね。(^^♪
ねこのひげ
2010/05/09 05:05
☆彡みつばさん、おはようございます♪
自分の国では英雄でも他国にとっては殺戮者という人は多いですよね。
ジンギスハンやナポレオンなどなど・・・
ねこのひげ
2010/05/09 05:13

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