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zoom RSS 翻訳家浅倉久志氏訃報で映画『ブレードランナー』を・・・・

<<   作成日時 : 2010/03/19 05:13   >>

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1ヵ月まえの2月14日にSF翻訳家浅倉久志さんが亡くなったという訃報がはいていた。
浅倉さんは、SFの翻訳だけでなく、推理小説も冒険小説も訳されているが、ねこのひげが中高生のころ読んでいたSF小説のほとんどは浅倉さんの翻訳であった。
あたりはずれがなくすばらしい翻訳小説を堪能させていただいた。
以前書いた映画『アンドロメダ・・・』の原作マイクル・クライトンの『アンドロメダ病原体』も浅倉さんの翻訳だった。
ヴァン・ヴォクートの『スラン』という超能力者ものの原型ともいえるSF小説も面白かった。
だが、なんといっても有名なのはフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』だろう。

これは1982年公開のハリソン・フォード主演の映画『ブレードランナー』の原作である。

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小説のほうは、マリファナでも吸って書いているような内容で、映画化は不可能と言われていたが、映画監督のリドリー・スコットは、映画の内容を原作とかなり異なる内容に変えさせハードボイルド調に描いた。
それでも、難解ではあったが。

実際、フィリップ・K・ディックは薬物中毒だった。そちらのほうでも勇名だったようだ。

ディックは、生前、成功した小説家とはいえなかったが、死後、その小説は賞賛され絶賛された。

まるで、炎の画家ヴァン・ゴッホのように。

ストーリーは、人間と変わりないロボット、アンドロイドが、火星から地球に逃亡してくる。
それをハリソン・フォード扮するディカード捜査官が殺していくという話である。
ロボットといっても、遺伝子工学で作られた生体ロボットなので、金属が使われているのではなく、人間とおなじ生身で、体内の細部まで人間そっくりなために人間と容易に区別がつかない。
人間が作り出した人間といってもいい存在だった。

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映画では、アンドロイドという言葉は、金属製のロボットという印象を観る者にあたえるというので、監督のリドリー・スコットは、”レプリンカント”と呼ばせている。

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この映画は、ストーリーよりも、その時代描写のリアルさがすばらしく。アメリカ国立フイルムライブラリーに永久保存されている。

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SFファンからは根強い支持を得ているが、公開当時は、そのペシミスティックな描写のために人気が出なくて観客動員がふるわず、すぐに打ち切りになった。


同時期に公開された映画が『E・T』であったため。と言う意見があるが、『E・T』がなくても一般受けする内容ではなかった。

スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』も、おなじように2週間程度で終わったが、ねこのひげが観に行ったとき、小学生や幼稚園児を連れた親が多数来ていて、子供が話の内容がわからず大騒ぎするのには辟易させられた。
『2001年宇宙の旅』は大人にだって難解で、後に、内容について数々の論争を引き起こしたくらいだから当然ではあるが。


おかげで、しばらくして、もういちど観に劇場に行ったら、別の子供向けのアニメ映画に変わっていてガックリした。

当時は、”SF映画=漫画映画=子供映画”というのが一般的な考えだった。

SF小説をSM小説と勘違いした書店の店員も多かった。


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『ブレードランナー』の、現在の地球環境の状態が続いたら、こうなるだろうという描写は、おぞましくもすばらしい。

映画『エイリアン』の監督リドリー・スコットの確かな力量を感じさせる作品である。


環境汚染のあげく一日中酸性雨が降りしきる大都会の市街を歩く捜査官ディカード。

日本人のじいさんの屋台でうどんを箸を使って啜るディカード。

そのうえを進んでいく飛行船のようなグロテスクな広告塔にはゲイシャガールが、なまめかしく微笑む。

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日本語の看板や文字が見られる、あの混沌とした町並みは、リドリー・スコットが来日したさいに訪問した新宿歌舞伎町の雰囲気を取り入れたのだそうだ。


以降、近未来的なアニメ映画などで、変形した日本語の描写が見られるようになる。
日本人制作のアニメもしかりである。

あの『ブラックレイン』の大阪の街の描写もすばらしかったね。あの退廃的描写には、観るものを魅了し、陰鬱にさせねばおかない魅力がある。

リドリー・スコット監督は、『ブラックホーク・ダウン』や『グラジディエーター』のようにある意味暗いシリアスな描写を得意とするようだが、『ブロヴァンスの贈り物』のような明るく軽い映画も撮れるのは、長いあいだCMを製作していたことによるのかもしれない。



『ブレードランナー』に出てくる車などのメカは、カーデザイナーのシド・ミードによるもので、さらにリアリティーを与えている。

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『ブレードランナー』は、現在でもコアなSFファンに熱烈に支持され、原作者であるフィリップ・K・ディックの作品も、日米で、いまだに根強い信奉者を持つ。


ところで、『ブレードランナー』と同じく、幻のCG映画と言われた『トロン』の続編『トロンレガシー』が、今年2010年12月に全米公開だそうである。

『トロン』の主役は今回(92回)のアカデミー主演男優賞に輝くあの”ジェフ・ブリッジス”である。




で、それに合わせて新しいDVDが今日、3月19日に発売されるそうである。


なんだか、ひっかかる展開であるが、『無冠の名優』といわれたジェフ・ブリッジスに、60歳で、やっと光が当たりだしたということで、すなおに喜んでおこう。



『ブレードランナー』の終わり方も、続編が作れそうな終りかただったので、いずれ・・・続編が・・・・・・作られるかも・・・・・と期待はしている。






人生にすばらしい糧を与えてくれた一人の優れた翻訳家に感謝し悼むものである。
(実は、20代のころ、ある大手出版社の創立記念パーティーで、お会いしたとき、お礼を申し上げたら、すごく照れていらしたのが印象的でありました。)


                                 



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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
今の基準で観るとクソつまんない駄作の部類に入りますね。
当時としても微妙。
ブレードランナー
2012/06/18 11:33

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